episode109〇 ページ19
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｢誰かの次は、もう怖い……｣
｢A……｣
｢私だけを見てよ、佐野……｣
時間が薬という言葉は間違っていなかった
佐野の付き合ってた頃は、毎日がキラキラしてて楽しくて。
あの時は、佐野の1番になれた気がして。
佐野に1番に、愛されていたような気がして。
でもそれも、長くは続かなくて
｢俺は……ずっとAだけを見てたよ！｣
｢嘘！絹ちゃんのことばっか見てた！絹ちゃんのことばっか気にかけてた……！｣
結局佐野も、
大事なのは絹ちゃんなんだよ……
わかってるよ、そんなこと
｢絹はそういう意味じゃない！幼馴染だから……幼馴染として大事なんだよ！｣
｢でも向こうはそう思ってない！佐野だって気づいてたくせに……！｣
絹ちゃんを否定しなかったじゃん
私のいる前でほっぺにキスされても、腕を組まれても、怒りもしなかった。それどころか軽く注意するだけだった
私の居た場所が絹ちゃんに塗り替えられていくことについて、佐野は何も言わなかったでしょ……
本当に私のことが大事なら、何か言ってくれても良かったんじゃないって、思っちゃうよ……
｢やだよ佐野、絹ちゃんのとこに行かないで……｣
子供みたいって分かってながらも、目の前の佐野に抱きついてしまう
｢う、あ、A……！？｣
｢絹ちゃんと話さないで、目も合わせないで……私だけ、見て……｣
怖いの、佐野がいなくなったらって思うと……
おかしいね、今までだって隣にはいなかったのに
なんで、今になってこんなこと思うんだろう
自分でも分からなくて怖い……
きっともう一度、誰かの1番になりたいのかな……
私なんかがなれるわけないのにね
｢ちょ、A、ごめん、俺やばい……｣
私と顔を合わせないようにして、私から距離をとる佐野
その顔は茹でダコのように真っ赤だった
｢あれ……？｣
……って私、今まで佐野に何言って……
｢やだ……帰る｣
なんで、なんで、なんで……！？
なんであんなこと言っちゃったの……！？
行かないでとか、私だけ見てとか……
まるで絹ちゃんみたいじゃん…！
佐野にあんなこと言うつもり、微塵たりとも無かったのに…！
もういや。怖い、自分が自分じゃないみたいで怖い……！
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
