第二十話 ページ22
「早く下がって」
「はひっ…はいィイ！」
むいくんの指示に隠の人は怯えながら炭治郎を担ぐ。
「珠世さんによろしく」
去り際、お館様の言葉に炭治郎は目を見開いていた。
柱だけになった途端、シン…と静寂が流れる。私の存在は、この場所では異質な気がする。いや、異質だ。気まずくて、どこを見ればいいのか分からない。
『えっ…と…』
「ああ、タイミングが悪くてすまないね。手当ても兼ねて、奥で待っていてくれるかな」
『あ…はい』
自分の腕を見れば、深く切りすぎたのか血がたくさん出ていた。自覚すると痛みが襲ってくる。
私は部屋の奥へ行き、止血をし、包帯を巻いて貰う。
それから１時間もしないで、お館様は姿を現した。
「待たせたかな」
『いえ！大丈夫です』
優しく微笑むお館様は綺麗で、思わず見惚れてしまう。
「A、君の事は無一郎から少し聞いているよ。大変だったね」
『今はむいくんの所でお世話になっているので、平気です』
「…仲が良いんだね」
…仲が良いと言える関係なのだろうか。
「あの子が誰かの事をずっと覚えているなんて、凄い事なんだよ」
『あ、はい。それは私も驚きました』
「無一郎にとって、Aは特別みたいだ」
『うぇ！？』
変な声を出したのと、お館様の言葉で顔が熱を帯びていく。
…特別…なのかな。
「これからも、無一郎を宜しくね。Aが良ければ鬼殺隊に入っても良い」
『…鬼殺…隊…』
入りたいに決まってる。だって鬼滅の刃が本当に大好きだから。誰だって憧れる。でも…
『多分、鬼殺隊にはならないです』
何となく、予想だけど。私は呼吸を使えないかもしれない。この世界の人間ではないから。
…試さなければ分からない。ただ私が弱虫なだけだ。
異世界の人間と突きつけられる事を逃げているんだから。
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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます！自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2020年8月18日 19時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…？？ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…！ (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂流 | 作成日時：2020年8月2日 15時
