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第九話 ページ11

さて、選ぶのは良いが何れにしようか。あまり派手な物は私には合わない。シンプルにリボンにしようか。

『むいくん、何色が良いと思う?』

「……好きにすれば良いじゃん」

冷たい物言いに思わずカチンと来る。

…少し位、興味を示してよ。

目を伏せてリボンを見る。今の気持ちに合うのは青だからこれにしようか。青色のリボンに手を掛けた時…


「……赤…」

『え…』


いつの間にか隣に来ていたむいくんが、赤いリボンを手に取り私の髪に添える。

むいくんの顔が近くにあって、息が止まりそうになった。

「赤の方が似合うと思うけど…まあ、決めるのはアンタだし」

私は瞬きをした後、下を向いてむいくんからリボンを奪う。

『興味無さそうだった癖に』

嫌味を込めて言えばむいくんは眉根を寄せる。

「じゃあ青にすれば……」

『…赤にする』

その言葉にむいくんは目を丸くして私を見た。

『むいくんが…選んでくれたから』

我ながら単純だと思いながら、熱を持った頬に手を当てる。むいくんと至近距離にいるのは心臓が保たない。


お会計をし、私は早速髪につけた。

『似合う?』

「……普通」

いつもの様に素っ気ない返事。でも、私は微笑んでむいくんの隣に行く。

『ありがと。赤にして良かった』

むいくんは一瞬驚いた顔をした後、呆れた様な顔をする。きっとむいくんも、単純だと思ったのだろう。

単純だけど…嬉しいのだから仕方ない。


『(…大好き…)』


心の中でそう思う。その気持ちが、日に日に募っている気がする。

馬鹿な私でも、この気持ちが何かは分かるよ。



私はむいくんが好き。



推しキャラとしてではなく、1人の男の子として見てるんだ。

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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時

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