私の夫は浮気性 (ページ3)

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2話ページ3

桃太郎side

今日は白澤様の奥さんが帰ってくるらしい。

桃太郎「なんかホコリっぽくないスか？ああ、ここも散らかってるし…」

白澤「姑が家に来る前の嫁みたいだな、君は」

桃太郎「気持ち悪いこと言わないでくださいよ…。アンタこそ、そんなにのんびりしてていいんスか？久しぶりに奥さんに会うんでしょ!?」

白澤「彼女にそういう気遣いはいらないんだよ」

そう言って、白澤様はのんきに煎茶をすすった。

いつも女の子と遊ぶ時はとち狂ったみたいにテンション高いのに、久しぶりに会う妻だとこんなにのんびりして

白澤「お、来たみたいだね」

桃太郎「え？」

足音も何も聞こえないのに

桃太郎「なんで分かるん…」

ガラッ

『ただいまぁ』

扉があいて現れたのは、白い衣をまとった白い髪の美しい女性

桃太郎「ほんとに来た!!」

『あら、どちら様です？』

白澤「僕の助手兼弟子だよ。ここで手伝いをしてもらってる桃タローくん」

『たお？タロー？』

ああ、そうか…
もう慣れつつあったけど、かなり独特のあだ名なんだよな

桃太郎「桃太郎っス。一応これでも日本の昔話で有名な」

『ああ、そういえば！天国に就職したんでしたね。手続きしたの私でした』

桃太郎「え、お役人さん？」

『役人といえばそうですね』

白澤「彼女、天国と地獄の仲介役なんだ。地獄が絡む問題や議題は彼女を通して天国に送られる。逆もまた然り」

つまり天国と地獄の中間管理職ってことか。
うわ…俺だったら胃が持たない。

白澤「ここには地獄の鬼や妖怪がよく来るだろ？そして僕らも簡単に地獄に行ける」

桃太郎「え？はい、そうですね」

白澤「ところがこれは、大昔には禁止されてたことなんだよ。鬼が天国に来ようもんなら、あの世が乱れかねないって大騒ぎだった」

桃太郎「たしかに…考えてみればそうだよな」

天国に鬼がいたらイメージダウンも甚だしいし。
逆に地獄に天女なんて来たら、亡者たちが群がって営業妨害もいいとこだ。

桃太郎「あれ？でも今は普通に行き来ができますよね？」

白澤「それこそ彼女のおかげでね」

『天国と地獄で物資の共有や、人が行き来できるようになったのは、私が仲介役になってからですね』

桃太郎「すげぇ…」

そんな凄い人が、本当にこんな奴の妻なのかよ…

『改めまして。白澤神の妻、名をAと申します』