71:方言 ページ23
聞き込みを始めて二日目。
今日もさして重要な証言は得られず、溜め息を吐きながら宿屋へと足を進めていた
「そこの！オニーサン！ちっくとえいがか！？」
「へ、」
聞き覚えのある方言に、思わず足を止めると、がしっと力強く肩を捕まれ強制的に声の主を見上げることとなった
「あーすまんすまん！ちっと道に迷うてしもうてのー、案内ばしてくれんかの？」
馬鹿っぽい笑みでそう言う男に、私は口を開けたまま立ち竦んでいた。
思わず"友人"の名を呼んでしまいそうになったが、確りと見てみれば明らかに別人。
「お？……どうかしたか？」
「あ、いえ、すみません。……友人に似ていたもので」
慌てて取り繕えば、男は色眼鏡の奥で優しげに目を細めて見せた
「ほうか！でー、」
「あ、案内ですね。何処へ行かれるんですか？」
男が口にしたのは、偶然にも私達が寝泊まりしている宿屋の名前だった
「そこなら私も泊まっている宿ですよ」
「なんと！こりゃー運が良かったぜよ！！」
豪快に笑う男に、何故だか私までつられて笑顔になってしまう
「ふふ、ご案内します」
「すまんのう、頼むぜよ！！あ、そうじゃ、わしは坂本辰馬ちゅーもんぜよ。おまんは」
「大祝Aと言います。宜しくお願いします、……辰馬さん」
坂本さん。
そう呼ぶのは何だか慣れなくて、躊躇いながらも名前を口にすれば、辰馬さんはにかっと歯を見せて笑った
「おう！宜しく頼むぜよ、A！」
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みぃ(プロフ) - コメント失礼します！こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます！私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな？と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます！！伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
虎 - 面白いです！私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲出雲 | 作成日時：2019年2月13日 0時
