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89:愚痴(K) ページ41

「───で、何故貴様が此処に居る」



副長が、副長が〜と延々と語り続ける少女は、ぱちりと大きな瞳をこちらに向けた

とろんと焦点の合っていない瞳は堂々と"私は酔っています"と語っていた



「あれ、話聞いてませんでした?良いですか数日前に……」

「いや、長々と話を聞きはしたがそれで何故お前が此処に居るのかと聞いている」



オカマバーで働いていた俺に珍しく指名が入ったと言われ、席に着けば既に顔を赤くしたコイツが座っていた。

『あ〜ヅラ子さんこんばんは〜』などと惚けた顔で手を振るものだったので、黙ってオレンジジュースを注文してやった



「?お酒呑みながら相談に乗ってくれるんじゃないんですか」

「だからと言って俺を指名するやつがあるか!!」



指名料は8割俺に入ってくる。
だから断るつもりはなかったのだが、コイツは"真選組"でありながら、俺を"桂小太郎"だと知って指名したのだ。

一体何を考えているのか、探ろうにも、コイツの口から出るのは"副長"のみ



「だって、知り合いの方がいいじゃないですかー。貴方なら気兼ねなく喋れるって言うか」

「……お前、何軒梯子した」

「えーっとぉ……銀時さんに連れ回されてたから……ざっと四?あ、お登勢さんの所も行ったから五軒ですね」

「帰れ」

「えー、いやです」


むすっと唇を尖らせて反抗する。

これだけ酔っていながら吐き散らかす銀時を万事屋まで送り届けてきたと言うのは素直に関心するが、ふらふらと頭を揺らすコイツはもはや真っ直ぐ歩くことすら叶わんだろう



「酔っぱらいの相手は業務外だ。
大体貴様は未成年だろうが!屯所の近くまで送っていってやる。今日はもう帰れ」

「桂って人はみんな意地悪だ」



仕舞いには訳の分からないことまで口走る酔っぱらいに、俺は冷たい水を持たせた



「はー……ちょっと待ってなさい。お水飲んどくのよ」



無言で頷いたのを確認してから席を立ち、西郷に早引きの交渉に向かった








90:おんぶ(K)→←88:嘘(H)



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みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時

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