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「A……君ってディ・モールト……情熱的だな……」
ぐったりとしたメローネを横目に、Aはふわりと紫煙を吐き出した
「?……このくらい普通だろ」
「確かに、今のイタリアはディモールト平和になったらしいね……」
「後で¨車屋¨を呼ばないとな、後¨ディナー¨の予約も必要か……」
メローネはちらりと地面に転がる黒服の男を見下ろした
Aが撃った狼がこの男の姿に変化したのだ
「なぁ歩いて帰ろうぜ、」
「……そうだね」
「って言うか、何でこうなったんだよ……俺達の内で上司に追われてカーチェイスするやつは居なかったぜ」
「残念だが、あの場所には¨上司の死体¨しかなかったよ」
アジトを出る前にリゾットに渡された携帯灰皿にタバコの肺を落とすと、Aは疲れた様にがくりと頭を下げた
「……何だって?」
「詳しい話は後にしよう。メローネ今は少し疲れた──────」
「A!?」
ずるりと崩れ落ちたAを間一髪で支えると、メローネはぎょっと目を見開いた
スーツ越しの体が非常に熱く、薄い呼吸を繰り返すAの顔色は悪い
明らかに異常事態だった。
「っくそ!」
半壊した車にAを押し込んだメローネは、急いでアクセルを踏み込んだ
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2018年7月1日 15時