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湯上りの温かい北斗くんがベッドに入り込んできて、
「失礼しまーす」っていいながらギュッと抱きしめられた。
「幸せ。」
自分でもびっくりするくらい素直な気持ちを口にしたと思う。
「俺も幸せ。疲れも吹き飛ぶし、高速充電中」
私もギュッと腕を回せば、さらにクシャっと笑う北斗くん。
いつもよりもぐっすり眠れて、朝の目覚めも気持ちよかった。
「行ってらっしゃい」
手作りのスムージーを北斗くんが身支度を整える間に用意して見送った。
私も今日は、週一の出勤日。金曜日出社して、1週間こなした仕事の提出をして、来週のリモートワークの準備をして、定時で帰宅。
いつも通りの金曜日のはずだった。
会社を出て、駅まで着けば急に焦点が合わなくなり、目に入るもの全てが二重に見え始め、次第にグルグル回りはじめた。
私はそのまま地面に吸い込まれるように力が抜けていってしまい、辺りが騒がしくなる。
救急車に乗り、病院に運ばれることになって病院に着くまでに意識を飛ばしてしまった。
次に目が覚めた時には、病室で病室は真っ暗。
枕元の時計は23時を指していた。
『テーブルには目が覚めたらナースコールしてください』
とのメモを見てナースコールをすれば、すぐに看護師さんが来てくれた。
「過労による貧血のようです。今日は念のため入院していただきます。お母様には連絡が取れまして、お伝えしてますが、このような状況ですのでご来院はお控えをお願いしました。」
そう言って、バランスのとれた食事をとか、
十分な睡眠を。って書かれた用紙を置いて病室を出て行った。
静かな病室でバッグの中で携帯が鳴っていることに気づいた。
相手は、北斗くん。
私は鳴り止まない携帯を手に、携帯を使っても良いロビーまで来た。
携帯にはたくさんの着信と、メッセージが北斗くんから来ていた。
「もしもし、北斗くん。ごめんね?」
「A!A、今どこ?迎えに行く!」
「北斗くんごめん。」
「えっ、」
「あの、今病院。今日は入院することになっちゃって、ごめんね?
冷凍庫に作り置きしてある物好きに食べて?」
「どうしたの、どこか悪いの?」
鼻をすするような音が混じりながらそんなことを聞いてくる北斗くん。
「大丈夫だよ、軽い貧血で。明日には退院できるから。」
「そっか、良かった。イヤ・・・良くはないけど
昨日、あんなこと俺が言ったからAが帰ってこなくなっちゃったって思って俺、心配で・・・」
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わん(プロフ) - 滴さん» 細かい所まで読んで頂きありがとうございます。 (2021年2月17日 21時) (レス) id: 9bd4ec93f8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読みました。 沢山のいやほとんどの直しを言ってしまいすみませんでした。。。 (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 黒×紅一点×貧血ページ50のここの部分 「ほっくん開けて。」なんてペットボトルを差し出し、珍しく甘えくる○○←名前 これてが抜けてませんか? 正しくは甘えてくるではないんでしょうか? (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 黒×紅一点×貧血ページ49のここの部分 目いつぱいに涙を貯めて、ちょっと瞬きしたら零れてしまうほど。 これ正しくは目いっぱいに涙をではないんでしょうか? (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 黒×紅一点×貧血のここの部分 「おはよー」って、言ってくれるだけで様子がおかしいのは明らか。 これ正しくは言ってくるだけでではないんでしょうか? (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピ | 作成日時:2021年1月17日 20時