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「…痛っ……」
最初の方よりも早い反射速度。
俺がボロを出すのを待っていたのかのように、俺の後ろに回り込んで足首を思いっきり蹴った。
ぐるん
足首に痛みと痺れを一度に感じ、地面から足を離してしまう。
まーしいは俺の足の裏と地面の僅かな隙間に自分の足を入れて、俺の足元をすくい上げるように自分の体重をかけて押し込んだ。
「はっ……」
速い!倒される!
自分の体を足で支える事が出来なくなった俺の体は斜めに傾き、地面の方へと一直線に落ちていく。
せめて少しでも抗おうと、俺は両方の腕を必死に曲げて、地面に手のひらをつけて体を押し上げようとした。
だが…
「うぇぇまーしい!?ちょまっ、重っも!」
「失礼な。体重は軽い方やと思うぞ」
「そういう問題じゃなくて!苦しい!」
俺の腹の上にまーしいが飛び乗ってきて、俺の手を払い除けてきたのだ。
俺の咄嗟に思いついた行動は、虚しく何も意味をなさなかった。
……さて。
俺の目の前には、俺の体に馬乗りになってじっと俺のことを見つめているまーしいがいる。
そのまーしいの表情は少しニヤリと笑っている気がする。
俺の体に馬乗りになっていて、俺がどうしてもこうしても、多分まーしいの事を退けることが出来ないからだ。
勝った。
まーしいはそんなことを思って、少し勝ち誇ったような顔をしているのだろうか。
まだ、俺は完全に動きを封じられた訳じゃない。
まだ、両腕は動かせる。
ここで少しまーしいの顔にイラついたので、その面に顔面パンチでも食らわせとこうかと、俺は激しく思った。
だが、
ここで俺がどんな出方をしても、絶対にまーしいには負ける。
ここで手を振り回しても、まーしいに掴まれて終わりだろう。
結果的に、完全に動きを封じられた。
俺は、深くため息を着いて、
「……参りました」
と、まーしいに聞こえるように、はっきりと、自分が負けたと言いはった。
「……っよっしゃあー!勝った勝った!」
「手は動かせるけどな!ここから動かしても負けるから!」
「……………」
「……無言で手掴むのやめてや。あとはよ降りて」
まーしいから挑んでこられたこの勝負。
この勝負に俺は圧倒されて負けてしまった。
まーしいはすごい。なんであんなに速いんだ。
なんであんなに…
この時俺は、まーしいのことを尊敬する反面、絶対に次は勝ってやると言う気持ちが生まれていた。
今まで無くなっていた俺のやる気に、再び火がついた。
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um(プロフ) - そうですかありがとうございます! (2020年7月27日 22時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - umさん» 下のコメントの続きです。あと、私も文章能力があまり良くないので、描写などが上手く書けていない所も全然あります。そこでストーリーを勘違いさせてしまっていたらすみません!上手く言えていなくてすみません。わざわざコメントありがとうございました! (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 違うアカウントから失礼します!(このアカウントはもう使えなくなってしまったので…中の人は同じです)ここの場合、柱合会議は歌い手様がストーリーに少し影響を与えている為、一部のキャラが協力的だったりしています。続きます。 (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
um(プロフ) - コメント失礼します!柱合会議の感じが違うと思うのですが………… (2020年7月27日 21時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん(プロフ) - 火白.さん» 遅くなってすみません、ちゃんとレス出来ていませんでした。このコメントの下のコメントが返信です。 (2020年4月13日 12時) (レス) id: 51416204c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:筆ペン屋さん | 作成日時:2020年3月28日 1時