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俺の長所をフル活用した動きを見たまーしいには、自分がどう動けばいいのか、どう戦えばいいのか、とかはもうわかっているはずだ。
だから俺はまーしいのことをうかつに攻撃できない。
距離を充分に取っていたかと思えば、すぐに距離を詰めてくる。
俺はまーしいのスピードに着いていけないので、咄嗟に避けることも出来ず、あっけなく攻撃が体に当たってしまう。
しかし勝利条件は相手の動きを封じること。
俺はまた距離を取り、まーしいの手が届く範囲外に逃げる。
…この繰り返し。
こっちが攻撃をすれば、まーしいは絶対にそれを逆手に取ってくる。むしろそれをまーしいはきっと待っているはず。
体力を消費させようにも、俺との戦闘でその戦略はあっていないことをまーしいは知っている。
それが示すのは耐久戦と言う事。
どちらかが先に折れるかの勝負になる。
これだけ聞くと俺の方が有利って思うよな。
甘いんだよなそれが。
まーしいが怪しくニヤリと笑ってくる。
まるで「もうへばってんのか?」とでも言うように。
へばっては無い、体力もまだ有り余ってる。
でもそれ以前にまーしいに近づけない、攻撃を入れることが出来ない。
本当に速すぎるんだ。一つ一つの動きが。
どれだけ注意しても、少し隙を見せるだけで電光石火のごとく近づいて来る。
俺と戦ってるうちに、最初よりも動きの精度が上がってる。
動きを重ねていくうちに疲れるのではなく、むしろ進化していってる。その急成長が俺のことを翻弄する。
まだ俺の体が万全の状態じゃないからっていうことも、まーしいにずっと翻弄されている理由の中に入ると思うが、やっぱり一番裏目に出ているのは実力の差だった。
どうする、このままじゃ負ける。
俺にはまーしいの技術に勝るような物は何も無い。
あるといったら肉体強化だけ…
「…あ」
鬼との戦闘の時、俺はいつも肉体強化に頼り過ぎているんだ。
だからすぐに肉体強化と言う単語が頭に出てくる。
肉体強化はそれぐらい強い。俺の最高の切り札。
…やばい、どうしよう。
その最高の切り札を封じられた俺は、
多分、まーしいに勝てない。
そう思っただけ。
そう思っただけなのに、その一瞬、手足から力が抜けた。
少し体制を崩す。
相手にとって、絶好のチャンスを与えてしまった。
慌ててまーしいの方を見る。
でもそこにはまーしいはもう居なかった。
「――後ろ」
後ろからまーしいの声が、勝ち誇ったように聞こえてきた。
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um(プロフ) - そうですかありがとうございます! (2020年7月27日 22時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - umさん» 下のコメントの続きです。あと、私も文章能力があまり良くないので、描写などが上手く書けていない所も全然あります。そこでストーリーを勘違いさせてしまっていたらすみません!上手く言えていなくてすみません。わざわざコメントありがとうございました! (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 違うアカウントから失礼します!(このアカウントはもう使えなくなってしまったので…中の人は同じです)ここの場合、柱合会議は歌い手様がストーリーに少し影響を与えている為、一部のキャラが協力的だったりしています。続きます。 (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
um(プロフ) - コメント失礼します!柱合会議の感じが違うと思うのですが………… (2020年7月27日 21時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん(プロフ) - 火白.さん» 遅くなってすみません、ちゃんとレス出来ていませんでした。このコメントの下のコメントが返信です。 (2020年4月13日 12時) (レス) id: 51416204c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:筆ペン屋さん | 作成日時:2020年3月28日 1時