[8]雰囲気 ページ18
イルミの携帯にAから着信があるのは、随分久しぶりだった。
「もしもし、珍しいねAからなんて」
「久しぶりだねイルミ。たまにはね、今仕事中?」
「いや今終わったとこ。何?」
「よかった。実はお願いがあってね……」
_____
__
「呪術師に出張なんてあるんだね」
「今回は特別多いからね」
Aはククルーマウンテン、イルミの家であるゾルディック家にいた。
「本当に泊まっていいの」
「宿泊費出すって言うし、俺の配慮関係なくAは試しの門難なく開けられたし、Aがここにいるって言うのが可笑しいから別にいいよ」
「そっか。客室まで用意してくれてありがとう」
用意された客室のソファーにイルミが先に腰をかけた。
「隣の部屋俺だから必要だったら呼びなよ」
「私が必要としたら来てくれるんだ、イルミ」
からかうようにAはイルミの横に座った。
「今日だって俺が必要だったから頼ったんでしょ」
「フッ…そうだよ、嬉しい?」
「さあね」
イルミはそう言うと、Aをソファーに押し倒した。
「…何、イル」
「昨日か一昨日か男と会っただろ。それも古い付き合いの」
イルミは真っ直ぐAを見た。押さえつけている両手の力は徐々に増していた。
「…どうして?」
「やっぱりね。
昔からAはそいつと会うとそのあと2日間だけは何となく雰囲気違うんだよね。胸糞悪い」
手に込められた力が強く、Aが気を抜けば折れそうになっていた。
「何、好きなのそいつのこと」
「そんなことないよ。その人に色々見透かされてムカつくだけさ」
「ならもう会うのやめたら?Aにその雰囲気は似合わないよ」
「……そうだね、やめようかな」
イルミの長い髪が、Aの顔に落ちた。
それをAがするりと掬い上げ、そのままイルミの頬を包んだ。
「…初めて会った時からだいぶ伸びたね、髪」
「Aが伸ばせって言ったんじゃん」
「違うよ。私はただ〈髪の伸ばしたイルが見たい〉って言ったんだよ」
「変わらないじゃん」
頬を撫でるAの手の上に、イルミは自分の手を重ねた。
「見せてくれてありがとう、イルミ」
「うん」
イルミはそのままAにキスを落とした。
「仕事行くまでまだ時間あるよね」
「うん、あるよ。なんで」
「久々に抱きたい、A」
Aはんーと考えているうちに、いつの間にかまた唇を奪われていた。
343人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宮 | 作成日時:2022年11月13日 1時