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[9]術式 ページ19

夜になり、Aは仕事の為に外へ出た。

ククルーマウンテンに1番近い大きな街、その大きな通りの端にAは立っていた。

暫くすると、Aは2人組の男の後を追った。


たかが離れているのは5メートル程であったが、男たちはAに気づかないまま古びた建物に入っていった。




「やっぱりさ、呪霊ってこういう古いところ好きだよね。何で」


痺れを切らしたAは、前の男たち、否、資料に載っていた内2体の受肉体呪霊に声をかけた。


「…お前、いつからいた」

「大通りを歩いてた時からかな」

「俺たちは警戒を怠っていない。お前に気づいたのは今だ」


呪霊たちはただでさえありえないと思っている出来事に戸惑っている中、目の前にあったAの姿はいつの間にか後ろにあった。


「そうだよね。普通は喋れないモノが喋るから特級な訳でさ。君たちレベルがようやく特級って言われるべきだって思うな」


急いで振り返ったが、もうそこに姿はない。また後ろから声が聞こえた。


「ねえ、この国で受肉体になった君たちは、この国で生きていくために必要なものを知ってる?」


徐々に近づいてくる見えないものへの恐怖に、特級呪霊たちは足を震わせた。


「念って言ってさ。呪力にも似てるんだけどちょっと違う。

その念を絶ち、気配を消すことを、〈絶〉って言うんだけどね」

「ぐぁぁあああああ!!!」

突然、呪霊の一体が叫んだ。


その身体にはいつの間にか穴があき、ものの数秒で粉々に散った。


「そんなことも分からない君たちは、この国で呪いとして生きられないよ」

「なっ、何をした…」


ようやくAの姿が見えた時には、片方の呪霊は死んでいた。

狼狽えたもう片方だが、震える手で印を結んだ。


「領域てんか…」


その刹那、印を結んだ手にAの手が被さっていた。

一瞬の出来事で頭が追いつかなかったが、呪霊はすぐに距離を取り直した。


「領域展開…え」


だが、辺りは何も変わらない。


「なぜだ…なぜ」


困惑が止まらない中、すぐ隣にAがいた。Aはいつものようにフッと笑みを零した。


「お前の…術式か…?」

「そうだね。




私の術式は、相手の術式を一定期間無にする。




要するに術式を使えなくする術式」


呪霊は絶望で動けなかった。


「発動条件は2つ。教えて欲しい?」


呪霊はうんともすんとも言わなかった。


「残念、教えてあげない」


呪霊は粉々に散った。






Aはまた、月を眺めた。

。・:+°→←[8]雰囲気



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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇‍♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年11月13日 1時

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