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用意された小さなテーブルには紅茶の入ったティーカップ
湯気が立ち込めていて、上品な香りが漂う
食にこれといって拘りのないニュートでも匂いで分かる。これは美味しい、と
口にしてみれば、鼻から抜ける茶葉の香りが何とも言えない
それくらい絶品だった
だが紅茶の入れ方なんでものは動物には必要のない事だ
聞けば家事全般は熟せると言っていた
それら全てが人間に仕込まれたものだと思うと、少しだけ来るものがあった
「美味しいよ。ありがと」
けれどそれを内に秘めて思ったことを伝えれば、Aが微かに肩の力を抜いた
もし口に合わなかったら……と無意識の内に不安になっていたんだろうか
その絶品な紅茶を2、3口堪能したニュートは聞きたかった事を思い出して、口からカップを離す
「さっきさ、“20年前に5度目のマグルに飼われてた…”って言ってたでしょ?」
『まぁ…』
「じゃあ今何歳なの?少なくとも僕と同い年くらいだとは思っていたんだけど……」
『…基本的に我々は人間より寿命が長いんです。人間の年に換算すると……平均的に400歳くらいでしょうか…
私の歳を人間に合わせると……20代半ばです』
「へぇ、そうだったんだ!」
ペルセルトという生物の新たな発見にニュートは子供のように目を輝かす
その様子にAは長い前髪の間からチラッと見る
すると何かに気付いてAはその一点に目をやった
それはニュートのシャツの胸ポケット部分
そこから頭をちょこっと出すのは枝のように細い緑色
『ボウトラックル…』
「えっ?…あっ、こら、またかピケット。みんなと仲良くしてろって言ったろう」
ニュートは叱っているようだが、その口調はあまりに緩くて、全然叱っているようには見えなかった
寧ろAには、その手間が嬉しそうにも見えていた
「ボウトラックルの紹介はしたと思うけどピケットは初めてだよね。こいつはピケット。僕にべったりで、よく他のボウトラックルから贔屓って言われるんだ。
ほらピケット、戻って。そうやって僕にくっ付いてるから色々言われるんだぞ」
(イヤだよ。ボクはママと一緒がいいの)
「全く……甘えん坊め」
ニュートと動物達の通じない筈の会話が成立していて、それに何度もAは不思議に感じていた
その様子に気付いたピケットは、Aに自慢げな顔をして
(いいでしょー!)
と自慢していたらしい
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました!とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね! (2020年11月20日 22時) (レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです! (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月15日 18時