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深く呼吸をすれば、脳に酸素がよく回って来て
頭がクリアになって我に返った
次々と頭に浮かぶ自分の言動
こんな夜中に先生に迷惑を掛けて、困惑させて…
無礼且つ失礼極まりない
血の気がサッと引いて、外の空気が吸いたくなった
頭をもっと冷やして、もっと良い答えが出るようにしなければならないと思った
…本当は、少しだけ肩が今も痛んでいる
でももう、こんなくだらないことに先生を付き合わせるなんてことはしたくない
そんな愚行が許させるわけがない
だから外に行こうとベッドから降りて歩こうとすると
「……」
『……』
腕を掴まれて、動かそうとしていた足が止まる
今は、本当にだめなんだ
弱ってて、まともに喋れるかどうか不安で仕方ない
また、ドロドロとした何かが体の底から湧き上がって来て、フラッシュバックなんかしたら…
また、くだらない幻覚や幻聴に襲われて、先生を困らせたら…
そうしてまた何度も似たような負感情を繰り返したら…
そう考えると、今このときに
誰かと一緒に居るということが恐ろしいとすら感じる
でも私にこの手を振り解く勇気なんてものは無く
もし逆らったら…なんて、この人にはあり得ないと分かっていても脳が勝手考える
平常心、平常心…
さっきの失態を挽回しなきゃいけない
まだ、大丈夫…繕える…
『あの、先生…？
どうし……わっ、』
どうしたんですか？
そう聞く前に腕を引かれて、先生が腰掛けている簡易ベッドに体が傾いた
そして感じるのは、ベッドの柔らかさではなく
人の温かさ
崩れて前のめりになった体は、気付いたら先生の腕の中に収まっていた
「俺ここで寝るから、一緒に寝よ」
『え、…はい？』
そう言われた途端、先生の体が傾いて
必然的に、私の体もベッドに沈んだ
「取り敢えず、目を瞑っとけ」
『え、いや…あの…』
「良いから」
そう言って先生は、正面から抱き締めるように横になって
腰辺りに回った手が、グイッと引き寄せて距離を詰めては
トン、トン…と優しく叩く
細くなったと言うのに腕の力は割とあって、解けないことを悟った
だからもう従うしかなくて、
目を瞑れば、ふっと優しく笑うような音がした
「…これなら、怖くないだろ？」
静かに囁くその先生の声と優しさに
何故か、鼻がツンとした
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おひな(プロフ) - 感動しました。ありがとうございました。 (1月9日 23時) (
レス) @page44 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 私こんな綺麗に泣いたことないかもってぐらいすーって涙ながれた (8月14日 22時) (レス) @page44 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
ケロッピ(プロフ) - ありがとうございました (8月6日 1時) (レス) id: fb652d6333 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 柊先生の生存ルートも書いてほしいです (2021年3月19日 16時) (レス) id: b4ba18a803 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - え、え？最終更新日が…？また更新されるのですか？期待しても良いのでしょうか？笑 (2021年1月18日 23時) (レス) id: 76abfc2842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年5月14日 23時
