陸拾参頁─懐カシイ顔─ ページ10
No Side
「やあ姐さん。ご無沙汰」
太宰がそう声をかけたのは彼より年上に見える朱色の髪の女性。
彼女はベッドに寝ており、私物とは思えない白い病衣のようなものを着ていた。
「...この程度の縛めで
「真逆。だから私が見張りに」
太宰はそう云って微笑む。
それを見た女性────尾崎紅葉は嘲笑にも似た笑いをこぼした。
「確かに久しいのう、裏切り者よ。組織の誰もが
「はは、行列に並ぶよう云わないと」
「...童、鏡花は無事かえ」
「彼女は行方知れずだ。貴女の
太宰の横に立っていた敦が紅葉を睨みつける。
その眼光はまさに捉えた獲物は逃さない虎のようだった。
しかし。
「くく...くくく、くくく......」
「何が可笑しい!」
その場にそぐわない反応をする紅葉に敦の怒りは頂点に達した。
異能力を発動させ腕を強靭な虎のものへと変化させた彼はそのまま紅葉に腕を振り下ろす。
だがそれは一人の男によっていとも容易く止められた。
「!」
「彼女は私に任せ給え。君は外に」
「太宰さんッ」
「善いから」
その自信が一体何処から来るものなのかは判らないが、彼は落ち着いた声で納得の出来ない敦を云い伏せた。
太宰に背中を押されて敦は渋々といった様子でドアノブに手をかける。
敦が扉を開けようとした、その時────
『失礼しま......うおっ!?』
ノックはしないのに入室の断りは入れる彼女。
敦よりも向こう側から扉を開けたAの方が少し早く、自然と彼がAにもたれかかる形となってしまった。
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煉華☆(プロフ) - 書いたつもりだったのですが(;・∀・)中也さんはもう少し夢主と絡ませる予定です!コメントありがとうございました! (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 名無しさん» こんにちは(*^^*)やっぱり分かりにくかったですかね?何故かシリーズ化しないんですよ...。説明欄から行けるようにURLを貼っているのですが、また今度見えやすいようにしておきますm(_ _)m お、気づいてもらえましたか!自分では気づくか気づかないかくらいの色で (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは。part1が分かりづらくちょっと大変でしたが、最初から最後まで読ませてもらいました(^ー^)最新話の夢主の「…馬鹿」がもう可愛すぎ!これからも頑張ってください! (2017年2月11日 15時) (レス) id: 23590d66be (このIDを非表示/違反報告)
鈴燈輝葵(プロフ) - 煉華☆さん» 双黒大好きなので楽しみです♪ (2017年1月9日 2時) (レス) id: 2f068cebfc (このIDを非表示/違反報告)
ふぅり(プロフ) - あ、ほんとだ、すみません、!!!フォローさせていただきます!(`・ω・´)ゝ (2017年1月8日 15時) (レス) id: d25cb7c6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月7日 19時