196話 ページ15
赤い羽を揺らした女は、ゆっくりと顔を上げる。
その瞳は虚ろで朧気で何も写していないように思える。
不気味な姿に警戒して鎌を構えた時、突如女の姿が消えた。
「！」
いや消えたのではない、一瞬のうちに移動したのだ。
((ドンッ
俺は感覚的にその場から飛び退いた。
離れた所へ着地すれば、俺が先程まで居たところにあの女が土煙を上げて立っていた。
何なんだ一体…一瞬で間合いを詰められたぞ
このままじゃ女の思うがままに翻弄されてしまう。
俺は先手必勝と思い斬撃を飛ばす
『…』
女の背後に現れた血鎌はすぐに両手を切り落とした。
女は淡々と斬られた両腕を見る
…やはりな。
この女、俺を一直線に狙っている
敵である俺以外に目を配れていない。
急に動き出したと思えば…理性吹っ飛んだのか？
女は両腕を回復させると再度踏み込む。
反射で鎌を女に向ければ…
((ガンッ
女の、鬼特有の長い爪が鎌にぶち当たった。
鋭く重い一撃…止められてなければ腹に穴を開けられていた。
だからどうと言う訳では無いが。
「お前何なんだぁ？」
女の攻撃を交わし受け止め、鎌を振りかざしながら訪ねる。
まあ返事はない。やっぱり理性吹っ飛んでるなあコイツ。
攻撃は重くて速いが単調。
すぐに予想出来る動きだ。
それにここは思い切り俺の間合い…この女の一番注意するべき所は速さだろう。
距離を一瞬で詰められるのは堪えるが接近戦なら斬撃も使えるしこちらが有利だ。
女の後ろに、またしても斬撃を飛ばす。
弧を描いた斬撃は女の右足へ向かう
体制が崩れた所に畳み掛けてやる。
…鬼は簡単に行動不能にできない
それこそ先程の藤の毒なら容易いだろうが…もうコイツには効かないだろう。
俺は柱を刻んで、妹の方に向かわなきゃならねぇ。
だからコイツは邪魔だ。
回復が間に合わねえくらいに潰して、瓦礫で埋めてやんないとな。
…だが
「…」
…おい、どういう事だこりゃあ。
斬撃は確かに右足に命中した、女は避けていない。
それなのに一向に足は切り落とされない。
「チッ」
今度は女の頭上へ斬撃が二本現れる。
空中で交差するとそのまま女の両肩に当たった……はずだった。
「…あぁ？」
女の攻撃を弾いた俺は今の光景に思わず目を見開く。
切り落したはずなのに変わらぬ姿
俺は今女の両肩が驚異的な早さで回復するのを見た。
血鎌は確かに当たった
だが鎌が通過していった部分から既に回復は始まっていた。
つまり鎌が通過し消えると同時、もう肩は戻ってしまっている
.
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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜！ (5月2日 19時) (
レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い！こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます！いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです！頑張りますううううううううう！！！ (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ！！！ (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2020年1月1日 21時
