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何気にゲームってあまりやったことない ページ5

「こっぴどくやられたね。大丈夫?」


地面に倒れるガジルに手を差し出す。その横に相棒のネロがふわふわと飛んでやって来た。ガジルはその手を見ただけで、手を借りずに上半身起こした。


「何でオレなんかに手ェ貸すんだ。」
「そりゃ仲間だし。」
「何で間に入ったんだ。」


ガジルの二つ目の質問にAは差し出した手を引っ込めてポッケから棒のついたキャンディを取り出し、口に放り込んでから答えた。


「ラクサスが言ってたでしょ?"死んでワビろ"って。」


確かに言っていた。Aが来る前、ラクサスは確かにガジルを殴りながらそう言っていた。ラクサスの言葉も聞こえていたのはAの耳が良いからだろう。だが、それと何の意味があるのだ。そう尋ねれば咥えていたキャンディを口から離して目を細めて笑った。


「分かってないなぁ…ガジルも。」


「も」というのはどういう意味だろうか。「まぁ、今のは意味合いがちょっと違ってくるか…」とよく分からぬ独り言を呟くAとそれに同調する様な顔のネロにガジルだけでなく、レビィ達も疑問符を浮かべた。ケラケラ笑うAをガジルはただ不思議そうに見上げるだけだった。そんなガジルに目線を合わせるようにしてしゃがみこむ。

今日のAはどうしたとジェット達は疑問符を一つ増やした。いや、今日に限った話ではない。昨日ギルドを抜けると言い出してからだ。もしかしたらそれよりも少し前から様子はおかしかったかもしれない。そう、例えばそれこそ幽鬼の支配者(ファントムロード)の一件から。


「ガジルが手出さなかったのは仲間だって認めて欲しかったからでしょ。ガジル程の力があれば、ラクサス相手でも一方的にやられるだけってのも無いし、何よりガジルが手出してたらジェット達は今頃地面に転がってるよ。」


こいつは一体どこから見ていたのだろう、と皆の頭に同じ事が過ぎった。


「あれだけの事をしたんだ。仲間も傷付けた。…でもそれは全部過去の話。今は妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士。ガジルのことを認めてないのは他にもまだいるだろうよ。でも、少なくとも私は認めてる。ちゃんと仲間だって思ってる。それに、レビィ達も今ので考えは変わったんじゃないかな…妖精の尻尾(ウチ)はガジルが思ってるよりもずっと優しい人達が多いんだ。」


ガジルは気味の悪さすら感じた。自分よりも歳の下のガキが、自分よりもずっと大人に見えた。


「大丈夫だよ、ガジル。」

祭りだからってはしゃぎすぎやしませんか?→←天秤はゲームの中で十分。



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作者名:ピーナッツ | 作成日時:2022年3月19日 15時

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