双つの黒 2 ページ43
「はあ〜〜遣る気出ない」
「朝から壊れた
「私は今、誰かと対話する気力すらないのだよ、国……なんとか君」
「不燃ゴミの日に出すぞ貴様」
事務所のソファにだらしなく座る太宰さん。そんな太宰さんを見かねた国木田さんが彼を叱責する。わりといつもの光景だ。横浜が火の海になりかけたのはつい先日のことなのにも関わらず、太宰さんはこの間とはうってかわってやる気をなくしていた。
もういっそ燃やしたほうがいいのではないだろうか。
太宰さんは国木田さんの言葉を無視して面倒くさいといいながらバナナを皮ごと食べ始めた。
「お前と敦とAの連携で街は壊滅を免れた!その数日後に何故そうなる?」
「それがねぇ………社長から次の仕事を頼まれちゃって……。あー枯木のように唯寝ていたい」
「枯木なら可燃ゴミの日か」
「手伝いますよ、国木田さん」
眉間に皺をよせる国木田さんに私がそういうと、太宰さんは「Aが冷たいぃ〜〜」といいながらもう一本バナナを取り出し、また皮ごと食べ始める。しまいには私に「やっぱ皮むいて」と唾液でべたべたの食べかけのバナナを差し出してきた。汚い。
「そう云えば、昨日社長と敦が豪く話し込んで居たが……その件か?」
「そうだ」
「社長」
国木田さんに返事をしたのは太宰さんではなく、社長だった。社長は威厳のある足取りで太宰さんの前に立つ。
「太宰、マフィアの首領と密会の場を持つ件は進んだか?」
「手は打っていますが……」
「マフィアの首領は来ると思うか」
「来るでしょう。社長を殺す絶好の好機ですから」
「…構成員同士で延々血を流し合うよりは善い」
社長は目を伏せながらいうと、そのまま踵を返し、社長室へいってしまった。緊張した雰囲気がぬけて、思わずふぅ、と息をつくと国木田さんがものすごい顔で太宰さんに駆け寄る。
「……おい太宰、説明しろ。マフィアの首領と密会だと?」
「そうだよ。敦君の着想から豪く大事になったものだ。幾ら組合が最大の脅威になったとは云え……」
「待て待て待て!」
珍しく話についていけていない国さんが太宰さんに静止をかける。
「何が何やら……。…A、代わりに説明してくれ。第一、何故太宰が密会の手筈を整えている?」
「なぜってそれは……」
「元マフィアだから!国木田君以外は皆知ってるよ?今や」
その直後、国木田さん以外が知っているという事実に驚きいて固まり、そのまま倒れた。
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塩わさび - ミヤさん» コメントありがとうございます!おもしろいといっていただけるなんて光栄です…!!!頑張って更新していきたいと思います……! (2018年4月18日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - 続編おめでとうございます!人間創造、とっても面白いです!これからも頑張ってください。応援しています! (2018年4月17日 21時) (レス) id: ce29b99b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年4月16日 21時