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たえまなく過去へ押し戻されながら 7 ページ21

室内でやる遊戯も限られており、そろそろ飽きてきた頃。鏡花ちゃんがそわそわとしているので、敦くんたちを迎えに行くことになった。
鏡花ちゃんは顔が警察にバレているので、できるだけ裏道を通りながら敦くんたちを探す。すると、不自然に大勢の人が座り込んでいた。その中に目立つ髪色を見つけ、私がその人物の名を呼ぶのと同時に、鏡花ちゃんがその人に抱きついた。

「鏡花ちゃんとAちゃん!迎えに来てくれたの?」

「……心配した」

「敦くんたちの帰りが遅いから心配したんだよ。大丈夫?怪我はない?」

「ありがとう」

敦くんの身なりを見る限り、少しだけ擦り傷かできていたが、大きな怪我はないようだ。遠くの谷崎くんとナオミちゃんを見ると、彼らも特に大きな怪我はしておらず、熱い抱擁をしていた。彼らの無事に安堵していると、誰かから声をかけられた。

「それでは私達は失礼するよ」

「助言、有難う御座いました。そう云えばお医者さんなのですか?」

「元医者だよ。今は小さな寄合の仕切屋中年さ」

声をかけてきた男性の姿を見ると、よれよれの白衣を着ており、普通の医者だった。傍らには可愛らしい金髪の女の子がにこにこと笑ってこちらを見ていた。

「少年、どんな困難な戦局でも必ず理論的な最適解は有る。混乱して自棄になりそうな時ほどそれを忘れては不可ないよ」

そういうと、男性はひらひらと片手をふって去っていく。去り際に女の子が「これあげる」と言って私に可愛らしい飴をくれた。
あの男性は敦くんの知り合いなのだろうか。そう疑問に思ったまま男性の背中を見つめていると、ごとりと何か物が落ちる音がした。

「鏡花ちゃん!?」

「鏡花ちゃん!どうしたの!?」

音の正体は鏡花ちゃんの携帯。
鏡花ちゃんは顔面蒼白で震えている。こんな彼女の姿は見たことがなかった。尋常じゃない様子の彼女に私たちは駆け寄る。
そのあと鏡花ちゃんを何とか落ち着かせ、探偵社へ帰ることとなった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 中島敦   
作品ジャンル:恋愛
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塩わさび - ミヤさん» コメントありがとうございます!おもしろいといっていただけるなんて光栄です…!!!頑張って更新していきたいと思います……! (2018年4月18日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - 続編おめでとうございます!人間創造、とっても面白いです!これからも頑張ってください。応援しています! (2018年4月17日 21時) (レス) id: ce29b99b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年4月16日 21時

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