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「次は真緒くん。あなたも北斗くんと同じで、遠慮してるわね。みんなのサポートにまわるのも良いかもしれない。
けど、それだけに徹底していると、あなた自身だけでなく、『Trickstar』も伸びなくなるわよ。
もっと自分をさらけだして」
「、はいっ！」
世話好きで自分から面倒ごとに関わってしまう性分の真緒。
誰かがミスをしても自分がフォローにまわっていて、これでは自分をアピールできない。
『Trickstar』の一員として、勝つことに精一杯を尽くさなければならない。
そのためにも、彼自身もまた、成長する必要がある。
「最後に、真くん。......何をそんなに怖がっているのか、とはきかないわ。けれど、あなたは後ろに下がりすぎ。
『じゅうぶん』とはいえないけれど、『人並み』の能力はあるのだから、もっと自身をもちなさい」
「は、はい......」
人の目を苦手とする彼。
実力も他の3人よりは良くないと自分でも理解している。
そして、そのぶんしっかりと練習に励んでいる。
それでもやはり、自分に自信がつかないのは、自分を主張できないのは、彼のからだが無意識に拒んでいるからなのだろうか。
4人それぞれが実力をつけ、欠点を克服しなければ、『S1』で優勝する、など夢のまた夢となってしまう。
軽音部のみんなにも特訓に付き合ってもらい、なにかと支えてもらっている。
協力してくれている。
そんな人たちの思いと、自分たちの努力で、優勝を、この手に収めなければならない。
そのために与えられた時間は１週間____。
長いようで、短い、貴重な時間。
革命を成し遂げるためにも、この時間、1分1秒たりとも無駄にしてはならない。
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「スバルや北斗は、明日からの練習に備えるためにさっさと帰っちゃったなぁ。それが正解だ、根を詰めても仕方ない。
____で、朝霧先輩は帰んないですか？」
「......鍵当番」
「...？ そんな当番、なかったですよね？」
真緒が正論を(無意識に)美羽にぶつけた。
ふたりの間に暫(しば)しの沈黙。
「すこしは、察しなさいよ......」
それは美羽の言葉によって消え去った。
「どうせ、あなたのことだから、今日はここに泊まりこむつもりなのでしょう？ なら『プローデューサー』である私も当然付きあうわよ。
私がいないときに練習して、無理して怪我なんてされたら困るもの」
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作者名：白銀桜夢 | 作成日時：2018年8月9日 18時
