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「油断せず、精進(しょうじん)しろよ。この夢ノ咲学院において、生徒会の権力は圧倒的すぎる。
すべてが、生徒会の手のひらだ。
......だが、その手のひらに噛みついてやりな」
紅郎は自身と向きあっている3人の頭を順番に ぐしゃぐしゃ と撫でていき、心からの応援をくれた。
それを無表情ながらも、微笑ましく眺めていたAも、彼女なりに声援をおくる。
「【人間の未来は、人間の手中にある。】____。
20世紀、フランスの哲学者であるジャン･ポール･サルトルの言葉よ。
未来は、誰かの言葉でも、占いでもなく、自分たちの力で切り開くもの。
誰かの批判する言葉なんて気にしなくていいわ。
批判され、否定されたのなら、その分、自分たちで自分たちを肯定するといいわ。
自分たちの思う気持ちを、未来を、信じて進みなさい」
3人はしばらく唖然としたが、互いに顔を見合わせ、大きく、迷いなく、頷いた。
紅郎も微笑み、それをみて、鉄虎も笑う。
「きっと、何かが変わるはずだ。
____期待してるぜ」
いい顔をして、再び全力で頷くと、紅郎は愉(たの)しそうな笑顔を浮かべた。
「はぁっ......何事もなく解放されてよかった〜」
かなり息を詰めていたのか、武道場を出たとたん息を吐き出した真。
「呼び出したのは、忠告と活をいれるのが目的だったみたいだしね」
「あぁ。だが、敵勢力に俺たちのことを応援してくれているひとがいたとはな......」
紅郎と話したことにより、これからのことについて視野が広がった。
「のんびりしている暇はないわよ。今日から『ユニット』練習が始まるのよ」
『Trickstar』の３人と共に紅郎に(強制的に)追い出されたAが前方の彼らに言う。
「もっちろん覚えてる、ワクワクするよ〜☆」
じっとできない彼はAに抱きつく。
「この一週間、楽をしていた明星はそうだろうがな。俺たちは、『今度はどんな地獄が待っているのか』と戦々恐々(せんせんきょうきょう)だぞ？
そして先輩に抱きつくな、迷惑だろう」
「地獄巡りツアーって感じだったよね〜、ほんとに。
......そういえば『ユニット』練習ってことは、今週から衣更(いさら)くんも参加するの？」
北斗の言葉を受けて、真がその名前をだした。
そう、『Trickstar』は本来、3人ではなくもうひとり、4人目がいるのだ。
最後の、希望の星が。
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作者名：白銀桜夢 | 作成日時：2018年2月10日 16時
