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phrase26 ページ28

「幸い、この学院は動乱の種を抱えておる。

 廃墟(はいきょ)のごとく夢が消え失せたこの学院を覆い尽くすほどの、大輪の花が咲こうとしておるのじゃよ。

 それが芽吹く瞬間が、我輩たちの待望した好機じゃ。

 夜になるのを待て、わんこ」


 薄暗い軽音部部室の真ん中、棺桶の底で吸血鬼と呼ばれた青年は牙を研(と)いでいる。

 邪悪な気配が、どろどろとした血液のような悪しき波動が____貧弱そうに見える零の全身から、溢れているみたいだ。


「なぁに、必ず陽は沈み夜がやって来る。永遠に絶頂で輝く太陽などない。

 我輩たち闇の眷属(けんぞく)が動くのに適した、混純たる夜を待ちわびよう。くっくっく♪」

「あぁん? どういうことだよ、わかる言葉で喋りやがれよ!」


 少し落ち着きを取り戻した晃牙の問いに、零はやはり呑気ともいえる態度で呵呵大笑(かかたいしょう)する。


「くくく。おぬしにもすぐわかる、今が『嵐の前の静けさ』であることがのう。

 これは、嬢ちゃん____Aとともに考えた作戦じゃ」


「A...? 誰ですか?」


 ゆうたが聞いた。


「じきにわかるわい。それより、作戦の説明をしよう。何か良い案があれば教えておくれ♪

 失敗は、許されんからのう...♪」


 こうして、軽音部部室で密かに作戦会議が始まった。

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- この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時

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