思い馳せる姫君 (ページ12)

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「二人の活躍見てるとさ、思わずこのステージに参加したくなるっていうか」

「.........そうだな」

　スバルの言葉に、北斗は今日初めての笑顔を見せた。

(......ん？)

　北斗は最後列の端の方で不審な動きを見せる男たちを見て、違和感を覚えた。

(何か会場の雰囲気が...)

「！！まずい！」

「？どうしたの？」

　急に血相を変えて叫んだ北斗に問いかける真。

「気づかないか、遊木。ちらほらと不自然な動きをしている者がいる...どうも生徒会のようだ」

「うひゃあ、それはまずいね！」

「昼休みって生徒会は仕事で忙しいって噂じゃなかった？

ん？」

　スバルが二人に話していると突如、背後が暗くなった。

　疑問に思ったスバルはいきなり暗く...？と呟きながら後ろを振り向く。

　すると...

「えぇ！？」

『ここで挑戦者、ステージから落下！【龍王戦】は地面に足が着いた時点で敗北が決まるッス！』

　紅郎に蹴り飛ばされた晃牙が両腕で大事そうにギターを抱き締めながらスバルのところへ落下してくる。

「ちょっ、ガミさん、いきなりこっち飛んでこないでよ！」

　スバルは少し顔を青くさせ、晃牙に叫ぶ。

「う、うるせぇ！空中でそんな器用に動けるわけね～だろ！」

　晃牙もスバルに向かって叫び返す。

「いや、待てよ？よ～しいい事思いついた！

おい！そこを動くなよ明星...！」

「へ？」

　晃牙はにたぁと怪しい笑みを浮かべ、それを見たスバルは嫌な予感を抱いた。

「死ねえええええええええ！」

「ぎゃあ！」

　退く暇もなく、スバルは晃牙の踏み台と化した。