phrase４４ ページ46
「笑顔が、いちばんだって思うから。みんな、幸せになるために生きてるんだって信じてるから。キラキラ輝いてるほうが、やっぱり俺は好きだから」
スバルは懸命に、与えてもらった温もりを返そうとしていたのだ。
「むかし、教室のなかで独りぼっちでピエロみたいてなって、言いつづけてきたこと......。おれ自身だけでも肯定しないと、むかしの俺があんまりにも可哀想だ」
彼は戦場に立ち、大事な仲間たちと夢を守るために戦っている。
そしてきっと、過去の自分自身を救うために。
前を見て、歩いている。
____あぁ、輝いている。
「だから、これは自分のためだ。俺は、まず過去の自分を肯定する。それから、仲間たちに恩返しをする。最終的に、全世界にキラキラした夢を撒(ま)き散らしてやる」
野望に胸を、スバルは吠えた。
「輝かせてみせるよ、この世界のぜんぶを！」
____眩しずきる。
手のひらを頭上に向ける、星をつかみ取るみたいに。
まだその手のひらはなにもつかめない、届かない____それでも、彼はきっと諦めない。
愚かしくも、尊い生き様だった。
誰よりも孤独な、冷たい暗闇のなかにいたからこそ、輝きを求めるのだ。
どれほど空虚な輝きでも、ふたつ、みっつ並べば星座ができる。
彼は、彼らは、独りぼっちで燃え尽きるだけの流れ星なんかじゃない。
「協力してくれなんて、言わない。共感してくれ、とも。ただ俺は、そういうやつだって知ってほしいかな。これからは、『仲間』としてやっていくんだからさ」
握っていた手のひらを握りしめ、はにかむスバル。
「？ 先輩？」
俯いて、反応がなくなったAを変だと感じたスバルは声をかけた。
「同じ...なのね......」
「え？」
本人でさえ聞こえるのかわからないほど小さな声量で、彼女は呟いた。
「っ。何でもないわ」
我に返ったのか、Aはスバルの手を引いて目的地へと足早に向かう。
____A
____Aっ！
____A〜？
【彼】の声が、頭のなかで聞こえてくる。
____ずっと一緒だ！
____離さないぞ、絶対っ！
____Aを独りにさせるわけないだろ？
どれも、私を救ってくれた言葉。
どれも、私を元気付けてくれた言葉。
どれも、私を笑顔にしてくれた言葉。
でも、【彼】は、私の隣にいない。
世界が、モノクロになった。
【彼】がいないと何もできない。
私は、“要らない子”
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、 - この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (
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作者名：白銀桜夢 | 作成日時：2017年10月29日 17時
