雫色の髪11 ページ13
数ヶ月後______
3日に1回のペースで図書室に寄る。
それは私の日常になっていた。
「ハローハロー黒子君」
黒<こんにちは。紺野さん。
いつもの彼と…少し違う。
何かが…違う。
「…話したくなかったら良いんだけど
何か悩み事があるの?」
黒<いえ?特に無いですよ
「…」
私は黒子君の目をじっと見つめる。
黒子君も私の目をじっと見つめた。
「…嘘だね」
黒<探偵かなにかですかあなた。
「結構鋭いって言われるー」
黒<かないませんね、紺野さんには。
「それで、どうしたの?」
黒<昨日、2軍への昇格試験だったんですけど
落ちてしまったんです。
努力して何度も受けているのに結果が結びつかなくて
バスケが最近嫌になってきました。
「…」
思っていたより深刻そうだ。
「黒子君ってさ、」
黒<はい。
「多分普通の人と違うよね」
黒<…そうですね。
「それってさ個性じゃん?活かせないかなーって。」
黒<…凡人以下ってことがですか?
「んー、そうじゃなくて、普通に努力して普通の
道を歩むのが難しいなら
別の道も良いのかなと思ったの。」
黒<…バスケを諦めろって事ですか?
「違う。例えばだけど、身長が低くてシュートが不利だからドリブルのみマスターするとか、
何か突破口を見つけれたら良いなって。
大好きなバスケ。
出来ないから大好きを辞めるのは勿体ない。
好きって運命なんだから。」
黒<…そうですね、ありがとうございます。
「なんだか説教じみて上からになったね
何様って感じ、ごめん。」
黒<いやいや、話して、聞いてもらって、
アドバイスを受けて、楽になりました。
ありがとうございます。
「…なら良かった」
黒<一緒に頑張りましょうね、バスケ。
「うん。」
好きって運命、
なんだか自分に言い聞かせてるみたいだな、
そう思いながら扉を閉めた。
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作者名:こたつむり | 作成日時:2020年1月7日 22時