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それはそっちもだろ！、何よ文句あるわけ！、と騎士と魔法少女のいがみ合いが始まり女僧侶が仲裁に入る。
｢で？アナタたち、とりあえずこれからどうするの？｣
｢命の大樹へのカギとなる虹色の枝……その枝を手にした商人を追ってダーハルーネの町に行こうかと思います。って、ゼクさまもお姉さまもうるさいですわ！｣
いがみ合いをなかなか止めない2人に、セーニャによる制裁が落とされた。
ステッキで殴られた頭を押さえ、2人は仲良く蹲る。
｢なるほどね。でも、あそこは港町。もう、船に乗って海に出てるかもね〜。そしたら、どうやって追うつもりかしら。｣
｢そうですね……その場合は、定期船を乗り継いでいくしか…｣
｢却下、それじゃ鈍足もいいとこだ。追いつけねーよ。｣
しゃがんだまま顔を上げたゼクがそう言うと、シルビアが賛同した。
だが、否定したまま提案しないゼクにまたベロニカが食ってかかる。
｢それじゃ、どうしろっていうの？あんた、船なんて持ってるの？｣
｢あ゛ー？んなもん、持ってねーよ。｣
｢持ってるわよ、フ・ネ。｣
語尾に音符でも付いてそうに、旅芸人は自慢げに教えた。
それを聞いて魔法少女は、手のひらをくるりと返した態度でシルビアを賞賛する。
｢その船、お借りしてもいいですか！？｣
｢もちろんよ〜！仲間じゃないの！｣
こうして一行は、シルビアの船が停泊しているダーハルーネへ向けて出発するのであった。
───
ダーハルーネに到着した一行の目の前に広がるのは、露店が立ち並び祭りの雰囲気を纏った街並みだった。
｢まぁ……なんて美しい町！まるで、海の上に町がひとつ浮かんでいる様ですわ！｣
｢ここが、貿易で有名なダーハルーネの町か。｣
｢ああ、たくさんの金持ちや商人が行き交う、世界で1番デカい港町だ。｣
｢ふーん……って、そんな町で自分の船を持っているシルビアさんって、もしかして凄い人なんじゃ……？｣
的を射るような言葉を紡いだベロニカに、ゼクは半眼で苦笑った。
｢ベロニカ、余計な詮索してやんな。野暮だろが。｣
｢さて、アタシの船ちゃんは町の南西にあるドックの中でおやすみしているの。｣
一行は船があるドックへ向けて、露店の誘惑に抗いながら歩き出した。
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年4月1日 23時
