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｢だよな？優勝はイレブンのところかもな。頼んだぜ？｣
｢んだよ、もー負けた気でいんのか？イレブン、全力で来いよ。｣
｢当然。｣
4人は控え室を出て、会場外で待っていたセーニャと合流した。
｢聞きましたわ、イレブンさま。パートナーが前大会のチャンピオンとはツイていましたわね。｣
｢うん、それゼクにも言われたよ。｣
｢そうですか…でも、私はイレブンさまならおひとりでも優勝出来ると思っていますわ。｣
一瞬、ゼクを見るセーニャの目が鋭くなった気がしたが、騎士は不遜な薄笑いで見返していた。
妹は姉の同意を得ようとするが、振り向いた先には姉はおらず近くにもいなかった。
｢あら？さっきまでご一緒でしたのに……｣
｢あんのガキ…また、どっかで火種になってんじゃねーだろーな。｣
｢……いや、有り得すぎて否定出来ねぇよそれ。｣
保護者ポジションの青と赫が、揃ってため息をつく。
｢外が騒がしいですね。｣
｢本当ね…アタシ、なんだかイヤな予感がするんだけど…｣
｢違うと思うけど、行ってみよう。ベロニカだったら、助けないと。｣
そう言ってイレブンはセーニャと並んで外へ出た。
遅れてシルビア、ゼク、カミュも続く。
ベロニカはいた。
比較的タワーに近い場所にいた。
ただ、一行が想像していた通り魔法少女は火種となっていたようだ。
｢ちょっと！どこ見て歩いてんのよ！｣
｢ったく、うるせぇガキだな。てめぇがチビなのが、いけねぇんだろ！｣
｢ハァ！？何言ってんのこの筋肉ダルマ！｣
魔法少女と筋肉ダルマの言い合いは、徐々にヒートアップしていく。
話を聞いていると、魔法少女には非はなく人としてのモラルがなっていないと指摘すると筋肉ダルマが逆ギレをしたらしかった。
｢はは……ガキはどっちだよ。｣
｢本当だな。｣
ゼクの呟きに反応があった為、驚いてゼクはそっちに視線を向けた。
そこには、仮面武闘会でイレブンのパートナーになった選手が歩いてきていた。
｢いい大人が八つ当たりとはな。見苦しいぜ、ガレムソン。｣
相手も見ずにガンを飛ばす筋肉ダルマのガレムソンだったが、そこにいたのが前大会のチャンピオンだと理解したとたん大人しくなった。
｢抽選の結果が、望ましくなかったからといって子供に当たるなんて、みっともないぜ。パートナーが誰だろうと、闘士なら全力で戦うのみ……だろ？｣
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年4月1日 23時
