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チャンプのハンフリーに言われたガレムソンは、ベロニカに軽く謝罪して足早にその場から去っていった。
｢お姉さま！おケガはないですか！？｣
慌ててベロニカに駆け寄るセーニャだが、平気そうだった。
｢よお、相棒。このコはあんたの知り合いだったんだな。｣
｢ハンフリーさん、ありがとうございました。｣
｢この通り、お嬢ちゃんは無傷だ。何事もなくて良かったよ。｣
｢ベロニカ、注意するのはいいけど無闇に突っかかっていくな。"お父さん"、そこが心配だぞ。｣
ハンフリーに子供呼ばわりされるベロニカを、ゼクは悪ノリしてイジる。
それを目ざとく見つけたシルビアも、1枚噛むことにした。
｢そうよ〜？"お母さん"も心配だわ〜。｣
｢だーれが、お父さんでお母さんよ！｣
憤慨するベロニカをセーニャがいなすという、見慣れた光景が広がる。
それを見ていたハンフリーから、笑いが漏れた。
｢いや、すまない。相棒の知り合いは、楽しい人達だな。それじゃ、子供たちがハラを空かせて待ってるんでこれで失礼するよ。明日から始まる武闘会、絶対に優勝しような！｣
去り際にハンフリーは、翌日の試合前に宿屋に迎えにいくから寝て体調を整えとくよう、イレブンに言い残していった。
｢…ハンフリーって、保護者ポジション？｣
｢かもな？｣
ハンフリーの背を見送り、一行は大会に出る者達のことも考えて宿屋へと向かった。
───
｢どーしてこーなる！｣
｢仕方ないじゃな〜い、3人部屋、2人部屋、個室、1部屋ずつしか空いてなかったんですもの。｣
｢…諦めようぜ、ゼク。｣
カミュに慰められるゼクを、シルビアはクスッと笑う。
｢あ、忘れてた…ゼク。オレ、イレブンと武器屋行ってくるけど…お前、自分の剣買いに行くか？｣
｢行かねー、必要なら借りるまで。｣
｢分かった、ならイレブンと行ってくる。｣
いってら、とカミュを見送れば、部屋にはシルビアとゼクの2人が残された。
｢苦行ね、ゼクちゃん。｣
｢うるせーよ、ゴリアテ。…頼むから余計な事言ったり、したりすんじゃねーぞ。｣
｢しないわよ、アタシはゼクちゃんの恋路を応援してるのよ。｣
｢…ダウト。お前が俺に引っ付いてくるの、アイツの前だけだろ。カミュにあてつけてんじゃねーよ。｣
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年4月1日 23時
