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璃月港の商人の賑わいの声、子供達が燥ぐ声。色んな声が私の耳に入ると、何故か自然と変形されて自分自身に対して嘲笑うような声で聞こえてくる。「気味の悪い能力」「神の目じゃない力を持っているとか、魔神なのか?」「こわい」決して言ってる訳でも無いのに、不思議とそう頭の中で解釈してしまっていた。
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私の助けてという救済の声も通ることなく、璃月港の道の真ん中で立ち竦む姿は聴衆からしたら大丈夫?かと声を掛けたいくらいだった。しかしそれもままならず、彼女から他人を引き付けないような圧力が周りを纏っていてより一層雰囲気が重くなっていた。
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寂しい。と、これ程思った事は無い。
叔母が居なくなってから寂しい思いを何度とした。一人になってから自立出来るかという不安、生きてける不安で叔母を失った寂しさは募るばかり。
蛍やパイモン、そして万葉と出会ってからだ。友達という関係を築けてから、その称号が嬉しくて楽しくて。仕方がなかったのだ。
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私がこの力を生まれ持たなければ、一般人として話せることが出来たのだろうか。
私の住む場所は違う、と璃月港で立ち竦んでいた体を街の外へと向かう方向へと向け、早く外に行きたいと願いながら走る。目から出る涙を両腕で拭きながら向かう。霞んで視界が見えにくいものの、お構い無しに走っているとドン、っと肩がぶつかりその場に崩れ落ちる。
「 いっ… 」
『 ぅ、すみません!!急いでるので… 』
「 ぶつかっといてそれかよ…まぁいい、用事があるなら早く…────────────黒髪に黒目…? 」
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倒れた人もお構い無しに立ち上がればまた、街の外へ出るために走る。ごめんなさいと一言呟いても出る涙の量は先程より多くなっていて。
─────雨が全てを流してくれたらいいのに。
先程まで雲ひとつ無かった天気が、突然として現れた雲が空一面を覆う。雲行きが怪しくなると雨がぽつり、と降り始めた。
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ふわな - とっても面白いです!これからどうなるのかとってよ楽しみです!更新頑張ってください!応援してます! (2022年6月22日 0時) (レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは!!(?)凄く好きだっ!!ってなりました!これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩 | 作成日時:2022年6月17日 7時