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私の直感が無意識に働いているのか、何処からか。何か非常事態が起こってると言わんばかりに脳裏に危険という文字が過ぎる。
────助けに行かなければ、と何処にいるかも分からないのに自然と身体は助けるという方向へと足を踏み出していた。
暫く周辺を探索していると、何か赤い血のようなものが奥の洞窟へと垂れているのが目に見えては走りにくい着物でそそくさと歩きながら番傘を閉じ、洞窟の中へと恐る恐る侵入した。
洞窟の中は未知な物で沢山、と余り行かないようにしていた所故に身構えるもそこは小さな洞穴程度の物だった。
赤い血を辿ると壁を背もたれにして腹部の出血部分を片手で抑え、今にでも死に至りそうな顔をする男性が私の視界に入った。私と同じような着物をモチーフとした服装を身に纏う、白髪に赤いメッシュの男性。地面には刀と思われるものが置いてあり、近くのヒルチャールを倒したのだろうか。その形跡と思われるのが残っていて───
『 ぁ、…あ、だいじょ…うぶ… 』
人と話したことが無い故にしどろもどろになりながらも、目を瞑るその剣士らしき人の近くに立ち寄る。身体に少し触れると、雨のせいか身体が途轍も無く冷たい。腹部の出血も矢によるものなのか止まる事を覚えないように溢れ出てくる。意識は失っているのか、呼吸はあるものの薄れていくようなか細い息遣いで。
返答は無くとも、緊急事態なのには変わりない為に叔母から貰った大切な着物を近くにあった刀で膝下の部分を大胆に切る。その布で腹部から流れ出る血を止血し、包帯のように巻き付ければ応急処置は取り敢えず完了して。
『 身体がつめたい…低体温症になって命が危な─ 』
「 …おぬ、し 」
『 ぁ…の、倒れてたので…応急処置を、 』
「 っ…、！！ 」
『 剣士さん動いたら駄目、傷悪化しちゃう…！！ 』
びくり、と身体を動かしたと思えば痛みの余り腹部を強く抑える剣士さん。今にも死に絶えそうな声で「…たすかった、でござる」と途切れ途切れの言葉を紡いでくれた。
今から私の家に行くにも山の上で、一人の男性を運ぶのには到底難しい。だとしたら行った事も無い璃月港に向かうしかないのか、と。
『 剣士さん、璃月港までの距離って… 』
「 璃月港、は…三丁先にあるでござる。 」
『 私が貴方を璃月港まで運びます。だからどうか、死なないで 』
「 はは、…かたじけない。拙者は絶対にこの恩は忘れぬ。 」
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ふわな - とっても面白いです！これからどうなるのかとってよ楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月22日 0時) (
レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは！！（？）凄く好きだっ！！ってなりました！これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2022年6月17日 7時
