俺が甘やかす理由 ページ18
｢さて、俺の財布返してもらおうかな？｣
そう言うとラギーくんは驚いたような苦虫を噛み潰したようななんとも言えない顔になった。
｢げえっ、バレてたんスか…はいはいちゃんと返しますよーって！！｣
ラギーくんは俺の財布を出すと思いっきり投げた。
どうやら俺が慌ててその財布をとってる隙に怒られる前に逃げようとしていたらしいが俺はその財布を魔法で止めてこちらに戻してラギーくんの手を掴む。
｢はあ！？金持ってて頭良くて魔法も強いとかどんだけ完璧人っスか…｣
｢まぁ、捕まえはしたけど別にスられる隙がある方が悪いって場所があることも知ってるし君を怒るつもりは無いんだけどちょっと注意はしておこうと思って。｣
｢は？｣
怒られると思ってたのかラギーくんは意味がわからないと言った顔をして俺を見上げる。
｢この学園は優秀な生徒ばかりだけど気の荒い性格の奴らも多い。証拠がなくても君がぶつかってきて財布が無くなったと分かったら君を捕まえて危害を与えることもするかもしれない。
君は獣人だから普通の人間よりは身体能力は高いかもしれないけどこの学園には人魚も獣人もうじゃうじゃいるからな。
そこの所は気をつけろよ。まぁ、怪我したら俺のところこいよ。治してやるから。｣
｢は、はぁ…｣
頭を撫でてニコリと笑うとぽかんとした顔になった。
あっ、耳ふわふわ…
｢俺、ずっとスラム街にいたんで…心配とかされたの初めてっス…へへ、何か変な感じっスね！
怒られないなら良かったっス。それじゃあ！｣
ラギーくんはふにゃっと笑うとまた教室へササッと戻って言った。
え、何あの子…かわいい…
｢財布を盗まれて盗人の心配とはお前甘すぎないか？｣
｢あ、クルーウェル居たんだ。｣
｢ほう、どうやら鞭で叩かれるのが好きな趣味を持っているようだな…？｣
｢あっ、なんでもないです！！さっせん！！
…まぁ、俺の座右の銘は甘やかして甘やかして甘やかしまくるだからな！
鞭はクルーウェルとかに任せて俺は飴に徹するんだ。この学園の子達は中々に辛い過去を現在進行形で持ってる子達が多い。だからその子たちを無条件に褒めて甘やかしてその子たちの心が許せる居場所になりたいんだ。
生憎俺は飴と鞭を使い分けなきゃ行けない教師じゃなくてただの一生徒なんでね。｣
｢お前…それが留年してる理由か？｣
｢さぁ…？どうだろうね。｣
￣￣￣￣￣
ラギーくんと絡ませれた！！！
蛇だと思ったら猫かと思ったけどやっぱり犬かもしれない←→←手癖の悪いハイエナくん
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