薄桜鬼｡+ﾟ+｡黒百合ノ雫｡+ﾟ+｡壱章

＊捌幕＊ ページ10

not.side









(シャカン………………)









すると、蒼白い光を帯びた一筋の線。








それが刀だと言う事に気づくのは
余り時間はかからなかった。









刀に付けられた三つの小さな鈴は、

小さな鈴の音にも関わらず、








夜の京に響き渡る………………









サアァァアアア…………









そして、一つの風が舞う。









ザン！！









ドサッ……………









月が雲に隠れた瞬間だった。









血に狂う羅刹は一声も上げず、




血だまりを作りながら静かに倒れた。









そして…………








??『…………何者だ……そこにいるだろう。



出て来たらどうだ…………』









月が顔を出した。



月明かりに照らされ、その影は姿を露わにする。









風が吹き、漆黒の髪が揺れ流れ、




朱い血のような真紅の瞳には、

冷めて無表情ではあるのに、



どこか悲しげに見えた。





長月に似合わず、冷たく肌寒い風が吹き荒れ、




“彼”の背にはどこからか枯れ葉が舞う。









“闇鬼”…………………








まさに、その物だった。









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