薄桜鬼｡+ﾟ+｡黒百合ノ雫｡+ﾟ+｡壱章

＊参拾幕＊ ページ34

A『(………ｯ！！

新選組………！)』





土方「また会うたぁ何かの縁だな？」





目の前に現れたのは死に装束の色でもある
鮮やかな浅葱色のダンダラの羽織り………


以前出会った土方、斎藤………
そして、恐らく幹部の一人だろう

槍を持った赤髪の長身の男………





A『………』






どうする？やるか？

争いは好まないが………



やらなければ、こっちがやられる。





A『ｸｯ！！』




私は動かない身体に鞭をつき、
刀を構えて斬りつけようとした。

が…………




「前の威嚇はどうしたんだよ？闇鬼！！」




赤髪の長身の男に斬りこもうと思ったが、
痺れた身体では言う事を聞いてくれない。

赤髪の男はハラリと簡単に避けると
槍を振りかざして来た。



ギギン！！



ギシュ………




A『ｳｯ…………！！』




槍の先が私の頬を斬り、血が流しながら避け、
何とか受け止めて、後ろに回避するが………




クラッ………




A『っうあ………』




ドサッ…………





回避したその拍子にめまいが私を襲った。

意識が薄れ私は暗闇に落ち、





私の記憶はそこで完全に途絶えた。


Aside〜end〜
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

原田side



ドサッ……………



原田「ｯ！？お、おい！！」




これから斬りこもうとした時だった。

急に闇鬼が倒れ、動かなくなった。




斎藤「ｯ！……副長！！

闇鬼の背に“矢”が………！！」




土方「………何？」




すかさず斎藤が闇鬼のそばまで駆け寄り、
土方さんに言った。

どうりで以前よりも刀の重みがなかったのか……




土方「まあいい。急所は外れているんだ。

直ぐには死なねぇ………



原田、闇鬼を運べ。

話しは屯所で治療してからだ」




土方さんはそれだけ言うと先に歩き始めた。

結局俺が運ぶのか………
そう思いながら闇鬼の腕を持った時だ。




原田「(ｯ！？………細い……)」




闇鬼の腕はやたらと細く、脆いものだった。

そのまま腕を引いて肩にかけた拍子に
ハラリと漆黒の髪がずれ、素顔を表した。





原田「…………は？」





そして俺は目を疑った。



雪のように白く、柔らかい肌……

形が整った鴇色の唇……

細い身体…………




闇鬼は…………女なのか？

だとしたら、闇鬼と同じ髪と瞳の色を持つ奴は
一人しかいねぇ…………




まさか………




原田「………漆夜百合姫！？」

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