*弐拾弐幕* ページ26
漆夜side
数日後
漆夜『………暇だ』
今日は鴇はいない。
あいつもたまには休みを与えようと思い、
強引に休日をやり、帰ってこないよう命じたが……←
《これは長殿。
退屈そうであるな?》
すると中庭から声が聞こえる。
襖を開ければ一匹の黒猫がちょこんと座っている。
私は口を閉じて、彼に応える。
漆夜『《そうだな。退屈だ》』
黒猫《左様か。
俺が相手をしようか?》
漆夜『《フッ)………頼む》』
そう言うと黒猫は部屋に入り、
私の膝でゴロゴロと喉を鳴らしてすりよってくる。
黒猫《外には出ぬのか?》
漆夜『《屋敷から出てはならぬ身の故……な》』
黒猫《……幕府からはそういう命令はないはずだ。
外に出ぬのは、その異形を隠す為であろう?》
漆夜『《……………》』
黒猫《ならば、その異形の姿を隠せば良いではないか》
黒猫は呆れるようにハァと息を吐く。
確かにそうだが……………
黒猫《その姿を隠し、俺と共に都に出ようぞ》
漆夜『《そうだな…………》』
こうして私は久しぶりに外に出る事になった。
許せ、鴇…………
________________
漆夜『モグモグ)な、何と美味!!
出来立ての団子はこれほど美味いのか!?』
黒猫《…………;;(汗(心配なさそうだな)》
私は今、外に出て団子を食べている。
モチモチとした団子とほのかな甘味と香り。
出来立ての団子は温かく尚美味い。
私の今の姿は、何時もの着物は少々目立つ為、
町娘と同じ着物を身に付け、
漆黒の髪はよしとして、
瞳を隠す為に白狐の仮面を付けている。
漆夜『主殿、美味かった。
ありがとう』
店主「お、おおきに………
あんさん、お偉方の姫か何かどすか?」
漆夜『ビクッ!!』
な、何故分かった!?(゜ロ゜;ノ)ノ
店主「口調が何や古風やったから………」
あ……そうか。
人の子は……違うのか…………
確かに、私とは違う。
私は周りを見回す。
気楽に話している町人は皆、笑顔。
私とは違う…………
漆夜『…………失礼する』
黒猫《ッ!長殿!!》
私は……………人の子とは違う。
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★紅葉☆くれは★(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!!これからも黒百合、宜しくお願いします(^-^*) (2016年2月14日 1時) (レス) id: 57bf35a786 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - ★紅葉☆くれは★さん» 土方さんと一君の会話が...www続編、楽しみにしています♪ (2016年2月14日 0時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - ★紅葉☆くれは★さん» 確かに!!その不器用さを書けたくれはさん、凄すぎる....。゚+.(・∀・)゚+.゚ (2016年2月12日 23時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
★紅葉☆くれは★(プロフ) - 弓 桜さん» 土方さんは不器用なので何となくそんな感じで主人公を生かしてくれるんじゃないかなぁ?と思っただけなので……;;お褒め頂き光栄ですヾ(^▽^)ノ (2016年2月12日 23時) (レス) id: 57bf35a786 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - ★紅葉☆くれは★さん» そうですか……...って、え!?暗記!?す、凄い...(; ・`д・´)そして、土方さんらしいですよ!!どうやったらそんなに上手に書けるんですかぁぁぁぁぁ!!o(>ロ<o) (o>ロ<)o (2016年2月12日 23時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:★紅葉☆くれは★ x他1人 | 作者ホームページ:http://seekanoteu
作成日時:2015年11月25日 18時