薄桜鬼｡+ﾟ+｡黒百合ノ雫｡+ﾟ+｡壱章

＊弐拾幕＊ ページ23

そして、新選組屯所の正門が見えて来た。



その時だ。

正門の近くに一つの影があった。
影はゆっくり振り向く。



その影は……






闇鬼『ｯ！！“鬼穢れ(おにけがれ)”！？』





鬼穢《グオォオオアアア！！》






其処にいたのは鋭い爪と角を持ち、

巨大な体、太い腕。




“血に狂った”それは、

まさに“鬼”同然の姿だった。




そして、





《紅い瞳》



《漆黒の髪》





その化け物は、

“俺と同じ”瞳と髪を持っていた。





闇鬼『ｸｯ……(面倒だな……)』






チャキ…………




俺は刀を抜きとり、鬼穢れに向かって走り出す。

鬼穢れは腕を俺めがけて振り下ろす。

俺は飛び跳ねて、鬼穢れの頭にめがけて
刀を振りかざす。





ザシュ！！！！





ドゴォオオン！！





鬼穢《ギャアアア！！！！》






鬼穢れはそのまま倒れこみ、
新選組の正門をその巨体で破壊する。




………しまった。

新選組の門まで破壊するつもりは………←





鬼穢れの巨体のせいで、
ズタズタになった門は直しようがない。



更に厄介な事に…………←





そう考えているうちに、
倒した鬼穢れは“灰”と化して

サラサラと風で舞う。






そして案の定、新選組の隊士達がやってきた。





左之「よぉ？前は総司の奴が世話になったなぁ？


その借りは返してもらうぜ？」






ﾊｧ………鬼穢れを葬った後は
もう戻ろうと思っていたのだが………




こうして、また新選組と敵対する事となった。

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