薄桜鬼｡+ﾟ+｡黒百合ノ雫｡+ﾟ+｡壱章

＊壱幕＊ ページ3

土方side


文久三年 長月 二十五日




「…………“闇鬼”……か……」



俺、土方 歳三はある単語を口にし、
あれこれ考えていた。



芹沢さんが居なくなって九日。
ようやく落ち着きを取り戻しつつあった新選組に
気にかかる報告が来た。




最近、噂となっている“闇鬼”と呼ばれる

辻斬りがいるらしい………



京の治安を守る新選組にとっちゃ
少々厄介な報告だった。




事の始まりは山崎の報告だ。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

数刻前



「副長、山崎です」



土方「おう、入れ」



俺は丁度仕事が一段落終えた所に
山崎が声をかけた。

俺は山崎を部屋に入れ、要件を聞く。




土方「どうした？」



山崎「はい。

つい先程、長州浪士の会合に張り込み
突入した所、数えて十の浪士の捕縛に成功しました」



土方「そうか。ご苦労だった」




山崎「………」





土方「？何だ？他にもあるのか？」




すると、報告を終えた山崎だったが、
何故かよそよそしく、何かを俺に伝えようとしている。

山崎のその態度は今までなかった為、
俺の口から聞いてみる。




土方「何かあったか」




山崎「………いえ、その……

実はある噂を耳にしまして……」





土方「………いい。話せ」





山崎「………分かりました。

実はこの最近、町中で噂がありまして……


辻斬りが多発している事はご存知かと思われますが、

その辻斬りはこの京に住む
“鬼”がやったと言う噂でして、


何でも古くから伝わる
“闇鬼”と言われる鬼らしいんです」






はあ？鬼だぁ？





土方「そんなもん、居るわけねぇだろ………」






聞いて呆れたぜ…………
やけに神妙な顔で言って来るから
何事かと思ったが………




山崎「………」



土方「………」



山崎「……………」



土方「………分かった。

分かったから山崎、
頼むから無言で圧力かけんの止めてくれ………;;(汗」←





どうやら真面目な話らしい………

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