薄桜鬼｡+ﾟ+｡黒百合ノ雫｡+ﾟ+｡壱章

＊拾伍幕＊ ページ18

鴇時「………申し訳ありませんが、

その事に関しては
お話する事は出来ません………」




そうして鴇時君は僕達の方を振り向かずに言う。

心無しか、背中越しでもどこか悲しそうに見えた。





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鴇時「此方に姫様がいらっしゃいます。

しばし、お待ち下さい。


姫様！お客様でございます」





暫く歩いて、屋敷の奥の間についた。
そこに彼の言う“姫様”がいるみたい。



鴇時君が襖越しに部屋の主に呼びかける。


すると中からは“いいぞ、通せ”という
鈴のような声の主が応えた。



そしてスッと襖が開かれ“お入り下さい”と
鴇時君は言い、土方さんに続いて僕も中に入る。





そこには……………






『初めましてだったな。





私がこの屋敷の主である

“漆夜百合姫(しつよゆりびめ)”と申す者。


“漆夜姫”でいい。



よくお越し下さった(ﾆｺﾘ』





《漆黒の髪》





《紅色の瞳》






彼女は僕達が見た“闇鬼”と

“瓜二つ”だった。






その異形である姿なのに、


目の前に微笑む自分の事を
“漆夜姫”と名乗った少女は、





僕らしくもなく、


彼女はとても、綺麗だと思った。

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