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デート当日
｢A、不審者が家の前でソワソワしてんだけど通報していい？｣
｢は？｣
訳が分からず窓の外を覗いて理解した。
｢風磨、あんたは相変わらず意地悪な奴だね。笑｣
｢愛あるイジりだろうが笑｣
｢はいはい。お猿さん野放しにしとくのも悪いし、行ってくるね。｣
早く行って保護しないとな！なんてケラケラ笑ってシッシッって手をヒラヒラさせる風磨を横目に部屋を出て玄関を出る
｢猿。笑｣
車の窓ガラスで一生懸命身なりを整えて落ち着きの無い猿そのものに見えた。
.
｢ねぇ。いつまでやってんの？｣
｢うぉおあ！！！！！居たのかよ！！！声掛けろよ！！！｣
｢うっさ。声掛けたじゃん笑｣
｢水族館久しぶりに行くわ！！てか！！！！かｯ、彼女…といくのは、、初めて…だわ…。｣
ソワソワとそんな事を言う岸が可笑しくってまた笑ってしまう。
｢言い方気持ち悪い笑岸ってさ、ずっと落ち着き無いよね笑｣
｢うっせぇ！！！笑ピュアな感じでかわいぃ〜♡くらい言ってみませんか？！｣
｢言ってみません。猿、チケット買いに行くよー！笑｣
｢おぉい！！ちょっ！今日ずっと猿呼びッスか！？｣
｢さーね笑あ、大人二枚お願いします。｣
岸の話を軽く受け流して受付のお姉さんにチケットの枚数を伝えお金を払おうとバックからお財布を出した。
｢あ、俺出すよ！！今日は俺！！｣
｢えっ？珍しいね笑ありがとう笑｣
｢珍しくはねぇだろ！！昼は割り勘だからな！！！｣
｢えぇー、たまには奢ってよー。｣
｢おいっ！たまにはってなんだよ！！！｣
｢あ！ねぇ！岸！！アロワナ！！！｣
｢え！うそ！うわ！！かぁわぁいい♡｣
｢こんなでっかくなるの？ヤバイな…。｣
｢可愛くね！？しかもデカくてかっけぇ！！｣
｢あ、13時からイルカショーやるんだって！行こ！｣
｢お！！まじ！？行こ！！｣
サッと手を取って恋人繋ぎになる。
ドキッとして私よりも少し高い位置にある岸の顔をパッと見つめた。
｢ん？どーした？｣
ニカッと顔をクシャクシャにして笑ってる岸がとても輝いて見えてまた自分の鼓動が速くなったのを感じた
｢べっ、別に…｣
ふいっと顔を背けて誤魔化した。
私の赤く染まっているだろう頬と耳には水族館独特の暗さで多分岸は気付いてないよね？
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作者名：み、 | 作成日時：2021年8月11日 0時
