花魁、拾いまして。【浦.島.坂.田.船.】

花魁8 ページ9

志麻 サイド

渡された4つのキャラメルを見つめる。

一人でいったら化けの皮剥がれてなんか文句言われると思ったのに。

……今までは、一人にだけ贔屓するやつが多かった。

他のやつは放置だったり売り飛ばそうとするやつもいた。

そのたびにうらたさんが助けてくれたけど。

特に、さかたは末っ子ってなだけあって深く傷つきやすいし泣き虫だ。

客と一夜過ごした次の日は必ずといってもいいほど大泣きしていた。

だから、俺も、うらたさんも、センラもなにかと坂田を贔屓しがちだし守りがち。

それが坂田は少し不服らしいけど。

あーぁ、昔は綺麗だね。って褒められるの好きやったのになぁ。

今じゃ、気持ち悪くて仕方がない。

何処で間違えてしまったのだろう。

3人と出会うのが遊郭じゃなくてもあの女がいるようなこんな平凡なところだったら、

なにか変わってたのかな。

なんて、もう汚れている俺がこんなこと思っても意味なんてないよな。

さ「あ、志麻くんおかえりー！」

ニコニコと笑うさかたにこっちまで笑いだしてしまいそうだ。

でも、知っている。

無理して笑ってること、ほんとは怖くて不安でたまらないこと。

俺、知ってんねんで。

でもなぁ、俺自分の気持ち伝えるの苦手やねん。

やから、ごめんな。

俺には何も言えんわ。

ごめん。

弱くて、ごめんな。

う「………。」

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