牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹8 ページ8

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標的の会社名が書かれた扉を開けた

中は明るい感じで、高級志向なのか豪勢な絨毯がひかれていた





｢お客様でしょうか｣



｢はい。友人の紹介で一度来てみたくって
いい絵をいい値段で売ってもらえるのだとか｣



｢それはそれは……ありがとうございます。飛びっきりの品々を用意しているのでどうぞこちらへ｣





若くてピシリと服装を決めた男が私を奥の部屋へと案内する

このまま絵の提供者が誰なのか聞き出せば、うちの組織の裏切り者がわかる





案内するこの男が私を怪しむ様子もない


なんだ。私一人でもできる簡単な仕事じゃないか






｢こちらです｣





開けてもらったドアをくぐると、応接間なのだろう。大きなソファーと高そうなテーブル



私はそのソファーに座ると、案内してくれた男がお茶を出した






｢オーナーをお呼びしますので、少々こちらでお待ち下さい｣




そう言って部屋を出ていく


ぐるりと部屋を見渡すけど、至る所に絵が飾ってあってそのどれもが資料で確認したうちのものばかりだ




この組織がうちから盗まれた骨董品を扱っているのは間違いなさそうだ

あと問題はどうやって提供者を炙るか



もしくは裏切り者自らがオーナーなのか





｢お待たせしました｣





私が入ってきた扉とは違うところから胡散臭い笑みを浮かべた男が入ってきた

どうやらこの男がオーナーで間違いないだろう




私はこの男の顔を見た事ないが……こいつは裏切り者だろうか






｢ご友人の紹介だとか……いい商品を紹介させていただきますよ｣



｢楽しみです｣



｢ささ、ここに来るのでお疲れでしょうから1杯お飲みになってください

自慢のお茶っ葉なんですよ、そのアイスティー｣





カランっと目の前の紅茶の氷が動いた

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