アニヲタの私が、アイドルのプロデューサー！？ (ページ33)

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番外編：至いづ破滅未遂事件［中編1］ページ33

【Aside】
時計の針は、午後7時を指していた

冷めきった昼食は、まだ机に置いてある
今日から母は、一週間ほど友達と旅行に行くらしく、うちには二人だけだ

多分お腹が空いてるだろうと思い、一応と思い作っておいたチョコクッキーを持って、
姉の部屋に向かう

ｺﾝｺﾝ
『姉さん、お腹空いたでしょ？,,,入るよ？』

い「,,,」

返事はなかったが、さすがに１日なにも食わないとなると話は別になる
オレは、ドアを開けて、中に入る

ベッドの上では、目を赤くした姉さんがいた

『,,,はい、ちょっと早いけど、ハッピーバレンタイン』

と、クッキーを出す

姉は、ゆっくり手を伸ばしてハート型のクッキーを掴む

ｻｸｻｸ
『美味しい？,,,』

い「ｺｸｺｸ,,,ｸﾞｽｯ」

って！？

『えっ？！ちょっ？！不味いなら不味いって言っていんだよ？！
いや、そりゃまぁ、クッキーなんて作るの、久しぶりだったし？』

ええと、ええとっ

突然泣き出した姉に、オレはパニクる

い「,,,A,,,少し聞いてくれる？,,,ｸﾞｽｯ」

『えっ！？あぁうん』

【いづみside】
私は、いつものように至さんの帰りを待っていた

皆に作るチョコを考えながら,,,

茅「,,,ただいまー」

すると、玄関から至さんの声が聞こえた

私は、談話室を出て、出迎えをしようとしたとき、

至さんの両手には、袋一杯一杯に、高級チョコや手作りチョコが入っていた

い「あっ、えっと,,,お帰りなさい、至さん！」

茅「ただいま、カントクさん,,,そして、今すぐにでも抱きつきたいところだが、
非力な俺が、こんな重いチョコを持っていたら、死ぬ、今すぐ死ぬ」

い「あっ、大丈夫ですか？」

と、袋を片方持つ,,,持ってみると、確かに重かった

それから、至さんはお風呂とご飯を終えて、袋を持って、部屋に戻っていった

でも、私は,,,

そのチョコが気になって、眠れもしないし、カレーを作る気にもなれなかった
それは、日曜日がバレンタインデーだから、仕方ないけれど,,,

やっぱり、自分のチョコを一番最初に食べてほしいと、思ってしまう

気づけば、朝になっていて、そのまま寮を出てきてしまった

家には妹しかいないと思うと、自然と涙が出てきた
散々、泣いた,,,涙が出なくなるまで,,,ずっと,,,

妹が心配そうな声で話しかけるが、泣きすぎて、
声を出す気力もなかった

でも、Aが作ったクッキーは美味しくて暖かくて、
私を優しく包んでくれるような味がした,,,

すごく幸せな気持ちになった,,,