苦いチョコレート。 ページ26
放送が鳴る。
『それでは、只今より文化祭を開催致します！』
プツリ、切れた瞬間に正門へと目をやると入ってくる人たち。他校の生徒や、保護者などたくさんの人々が文化祭を楽しみにしているらしい。毎年、数百人もの人が来場するとか。
｢うわぁ、入ってきたで｣
｢よし、ほなみんな位置つこか。宣伝の人らは行ってきてなー｣
とんちの声でみんなが動き出す。こいつ、人をまとめるのはほんまに上手いからなぁ。
僕にはできひんから素直に尊敬する。
｢おい、大先生。お前も仕事するんだよぉ｣
｢はい、分かってますとも。えぇ｣
とんちを怒らせたら怖いので、従うことにする。
Aちゃんは12時まで裏で仕事があると言っていたためその少し前に向かおうか。なんてぼんやり考える。
すると、1組目のお客さんが入店する。
｢いらっしゃいませ〜｣
｢メニューはこちらです〜｣
僕はその流れを見て、出来上がったカップを待つ。渡す係やからね。
｢はいうつくん渡して〜｣
｢あいよ〜。お待たせしました、こちらになります〜｣
｢わ、ありがとうございます｣
にこにこ笑顔を浮かべて手を振る。とんちから睨まれてるかも知らんけど、集客のためや。
その後もどんどんと客足は増え、列ができるほどに。
｢ちょ、誰かヘルプ呼んで｣
｢やばいな、ここまで増えると思ってへんかった…｣
｢はい〜こちらになります〜！｣
まじで忙しい。何これ。スムージーだけでなく、品揃えは少ないが雑貨も売っていた僕たちは、そちらの方も手が足りずに慌てていた。
｢あかん、こっちもヘルプいる！｣
大変なのは重々承知だが、そろそろ抜けないと僕もAちゃんの所に行けなくなる。
どうしよう、Aちゃんのところ行くって言うたからには行きたいやんか…！
｢と、とんち〜…！｣
｢あ？なんやお前持ち場おれ…って、ああ。すまんヘルプと交代のやつら呼んでくれ。みんな疲れてるやろ｣
神様か？とんちナイスや！
｢申し訳ありません。只今から交代の時間になりますので、ご注文いただいた方はそのままで。まだの方は今しばらく教室外でお待ちください｣
渋々といったところだが、お客さんたちは教室外に移動してくれた。
｢と、とんち〜！ありがとうほんまに！｣
｢ええからはよ行ってこい。エプロン脱いで、はいGO！｣
｢愛しとるで！とんち！｣
後ろから｢きしょいわ！｣と聞こえるが無視や無視。ギリギリになってごめんな、Aちゃん！
今から行くで！
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ちぇる(プロフ) - 白ごまさん» コメントありがとうございます！ (2021年4月19日 19時) (
レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
白ごま(プロフ) - 甘酸っぱい両片思いでもうずっとキュンキュンしてました。完結おめでとうございます！ (2021年4月18日 4時) (レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - �世気�» コメントありがとうございます！ (2021年3月12日 20時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
�� - キュンキュンする（真顔） (2021年3月12日 18時) (レス) id: 86f4624805 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 19時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
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