〜第一章〜 海 【歌い手】 2

【62】間違い ページ12

天月 side



『くろさぁ〜ん』

「わっ、どないしたん！！」


えへへっ、と笑い俺にひっつく。

ん？と思いAを見れば頬は赤く、ほんのりとお酒の匂いがしてくる。

真面目で、自分から飲むタイプじゃない。



「あれ、俺の入ってない。」


明日仕事があるからとコーラで割って飲んでた
山崎さんのグラス。

それはものの見事に空で、Aのグラスはコーラが入っていた。

ソフトドリンクを表すストローも何故か外に置いてある…


「こいつ、呑んだな」

「速い大人の階段か。」


6%位のお酒を1グラス。
知らずに飲んで、しかも疲れてたなら酔いが回るのもはやいか。

それを言い事に、まふやくろちゃんは何かを吹き込んでいる。


『あまつきさん！！』

「どうした〜？」

『へへっ、かっこよかったです、頼もしかったです、だいすきです』


あまりにも素直でストレートな言葉に
思わず頬が熱を持つ、

冷ましたくて水を飲めばまふはケラケラと笑っていた。

Aを見ればくろちゃんとなにかコソコソ話している。


「まぁ、仕方ないか」

「うん、仕方ない仕方ない！！」



お前の酔い方は、仕方なく無いと思う。まふ。



＿＿＿
A side


頭が少しぼーとする。

なんか、心地いい。

お酒、間違って賢人さんの飲んじゃったんだな、
やっちゃったと思いながらも仕方ないかと寂しくなり先輩達にくっつく。

そしてまふさんの隣に座り96猫さんに話しかける


『くろさん』

｢どしたのー｣


天月さんのこと、どうおもってますか？

だなんて、酔ってる頭でも言っちゃダメだということを僕はわかっている。

「友達」という関係で、これからも仲良くしていたいんだろうとなんとなくの予想がつく。

男女の友達ってものすごく難しいからこそ
こういう恋愛に繋がる質問はタブーなのだ。



『ふふ、なんでもないでーす』

「Aはさ、好きな子いないの？」


まふさんが僕の肩に手を回し微笑む


『えー！いないですよ〜』

「好きな女の子のタイプとか！！」

「わしもきになる！！」


Souさんも加わり、恋バナの現場になりつつある。


『くろさんみたいにしっかりした人がいいです！！』

「うれしいな！！」

『だって〜ふふ、なんか、しっかり仕事は仕事！プライベートはプライベート！！って決めてたりとか、あと浮気とかしなさそうじゃないですか！！』

「なんや！！嬉しいけどされたことあるん！？」



『あるからいうんです！！』

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