【忍たま】チビになったけど飴舐めるわ

プロローグ《い》 ページ2

学園に行くまでのお話


両親がまだ寝ている薄暗い朝、
早く起きた私は、顔を洗い服を着替え、
いつもの飴玉袋を持って家を後にした

そして、じいちゃんに頼まれている
黒古毛 般蔵さんが新たに作りだした忍者食の試食に向かう
じいちゃんが自分で行かない理由は黒古毛さんの作る忍者食がとっても不味いから。
だから、私を南蛮の飴で釣って試食を頼んだのだ

ちなみに、じいちゃんの作る忍者食はとても人気があってよくフリーの忍者やお城の忍者軍に大量に作るように依頼をされている。
じいちゃんの作る忍者食は黒古毛さんとは違って
凄く上手くて栄養がある。
その忍者食のレシピは今までじいちゃんは誰にも教えなかったのに、何故か私には教えてくれた。
そんな大事なことを言う孫に不味い物を食わせに行かせるのかがよく分からないけど、
飴を貰ったからいいや。さっさと行って帰ろう。

・

・

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太陽も空に上り、周りの景色も明るくなった頃
私は、黒古毛さんの家に到着した。



『黒古毛さ〜ん、真城の孫で〜す』


私がそう言って家の戸を叩くと、黒古毛さんが
いつもと違い、ニコニコ笑いながら出てきた



「よく来てくれた！さぁ！中にどうぞ〜！」


黒古毛さんの言われた通りに家に入ると、
中からドス黒い煙と湿布の臭い匂いが漂ってくる
また、変なものを開発してしまったみたい



(何この匂い…食べ物の匂いじゃないって…)


私が躊躇しながら部屋に座ると、黒古毛さんは
また笑いながら善を運んできた
その上にはいつものようなゲテモノ料理が並ぶ
でも、その中に気になる物を見つけた
白い紙に包まれた丸い物。白い紙の端はキュッと
結んであり、白い紙の真ん中には【黒】のマーク
が入っている。



(コレ…飴？なのかな…？)


そう思って丸い物に手を伸ばすと、待ってました
と言わんばかりに手を止められた


｢やはり君は反応すると思ったよ！実はね？
君が飴好きと聞いてピーンと来たんだ！」


黒古毛さんはそう早口で言うと、私に飴を掴ませ
『どうぞ、召し上がれ！』と言った
私は、いくら黒古毛さんでも飴は不味くならない
と思い、とりあえず1つ放り込んだ。


口の中で飴をコロコロと転がす。
やっぱり美味しくない。むしろ味がしない。
まあ、不味い味がするよりマシだ。
そう思いながら必死で飴を転がした。



『ご馳走でした…』


「えっ？もう行くのか！？｣



私は、そう言いながら止める黒古毛さんを無視し
さっさと家に帰った。

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