【SERVAMP】えっ、人間ですけど。 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:145,457 hit

人間　３ページ5

ガツン！大きな音がして、レジ袋の中身がバラバラ落ちる。

？？「いっ…たいなｧー！？」

そいつが叫ぶが、私は構わず落ちているポン酢を持って虎雪さんたちを庇うように前に出た。

ちなみに、さっき殴ったときの衝撃でポン酢が1個噴き出しました。なので今ポン酢まみれです。ポン酢まみれの女子高生がポン酢を持って戦う…うん、意味わかんね

？？「なんだお前ェ～？えっ、マジでなんだお前。なんでポン酢？」

ギロリとこっちを睨んだそいつは、ポカンとしたがすぐに剣を構える。

？？「まァいっか－？どうせお前は、ここで死んじゃうんだし～？」

そいつの剣が振り下ろされたとき、城田くんがそいつに抱きついた。

あっ、語弊があったね、うん、そー言う意味じゃないからね。

虎雪「真昼！」

真昼「龍征連れて逃げろ！！早く！！」

必死に食い止めようとする城田くんだけど、そいつは気にくわなかったみたいで、そいつの出した剣が城田くんにせまる。

？？「あ～んまり派手なマネしてっとォ…殺すぞォ？」

「城田くん！」

私はとっさに持っていたポン酢を投げる。それと同時に、

？？「めんどくせー奴…」

さっきの水色が城田くんのかわりに剣をうける。あ、あれ心臓に刺さってるんじゃ。

しかし、私の心配は必要なかったみたいで、水色はゆっくりと剣を抜いていく。

ず…と剣を抜くたびに、ぽたぽたと血が落ちる。その音と同時に、頭上からヒュルルルルと宙を切る音がした。

私が上を見上げると、スポーツドリンクのような、見慣れた形のそれが落ちてきていた。

貼ってあるラベルには「ポン酢」の文字。あ、もしかしてさっき私が投げた…

私は遠い目をしながら落下してくるそれを見つめる。皆は気付いていないようで、

真昼「どうにかするんだよ！クロ！！」

とかなんとか言ってる。ねえちょっと、誰か気付けよ。私今、人生最大といってもいいほどの危機に直面してるんですが。

あ、あと3㎝、2㎝、いっせn

ガスッ！！

鈍い音がして、私の顔面にポン酢が刺さる。うん、刺さってるねこれは。

どくどくと血が出ているのは分かるんだけど、とにかく血とポン酢で目の前がぐちゃぐちゃな私には自分の状況を確認することができない。

ぐらりと体が揺れて、地面に伏したまま、私は目をつぶった。

遠くで城田くんが私を呼ぶ声が聞こえた。