【あんスタ】プロデューサーは転入生！IV (ページ21)

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転入生の高みの見物ページ21

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「お～、やってるやってる。いけいけ～、どっちも頑張れ～」
「流石に適当すぎでしょぉ、アンタ……」

　会場の見回り中。
　熱狂に包まれてヒートアップしている場所を見かけて寄ってみたら、ちょうど新しい対決が始まった所らしかった。
　半目で見てくる同行人――『DDD』を辞退してヒマになった、という理由で私と同じくスタッフとして駆り出されている瀬名を、まあまあ、と適当にいなしてライブを眺める。

『～♪～♪～♪』

　今見ているステージにいるのは、天祥院率いる『fine』と――譲羽率いる『DisAster』だ。
　白が基調の、貴族か王族みたいな風格を持つ衣装の『fine』と、2人でお互いに白と黒の部分が対照になっている、軍服のようなカッチリした衣装の『DisAster』。
　それが一緒のステージにいると、衣装の配色が似通ってるせいか、頭が混乱しそうになる。まぁ、それを狙った(・・・)デザインなんだから、当然っちゃ当然なんだけど。

　サイリウムの色を見た感じ、得点はほぼ同数。つまり、実力は伯仲している。
　瀬名もそれが分かってか、興味深そうにステージへと視線を向けている。

「へぇ……。譲羽、頑張ってるじゃん。
　珍しいねぇ？あの無気力省エネ男が、ここまで食らい付くなんて。一体何があったんだか」
「……『流星隊』の直後ってのもあるだろうけど、やっぱり天祥院の疲労が凄いわね。
　『fine』は曲がりなりにもこの学院の『顔』なんだから、出来れば持ち堪えて欲しいけど」
「持ち堪えてって……、アンタは譲羽が勝つと思ってるの？」
「それは流石に厳しいでしょ。知名度や人気からして、無名のアイツじゃ、どう頑張ったって学院トップの天祥院には届かない。それはアイツ自身だってよく分かってる筈」
「ふ～ん……？だとしたら、本気で動機が分からないねぇ？
　何でアイツ、勝てないって分かってる相手に、ここまで粘ってんのさ。さっきまでここに居た奴らみたいな、熱血系の性格はしてなかったと思うんだけど？」

　さっきまで……って、『流星隊』の事かな。
　いや、まぁ、あれでも熱血系なのって、守沢と南雲くんだけな気がするけど。
　ともあれ、腑に落ちてないらしい瀬名のために、情報を開示してあげる事にしよう。

「逆よ。――勝てないから(・・・・・・)こそ粘ってるの。
　勝ち負けなんかどうでもいい(・・・・・・)のよ、アイツらは」

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