転入生のお手伝い ページ8
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「――へえ、『イースターナイト』かぁ。楽しそうね」
「うんうん、メッチャ楽しいで！ イースターエッグ作ったり、飾り付け用意したりとか。カラフルでキュートで、わくわくするっ♪」
「ふふ、みかくんはそういう作業、得意そうですもんね」
フラワーフェス翌日、放課後の手芸部部室。
幼馴染みの様子を伺いに行ったら、ちょっとした戦場になっていた。
何でも、フラワーフェスに続いて、繁華街で学外イベントが行われるらしい。
つむぎの所属する『Switch』と、一応『Valkyrie』として影片くんが出演するので、今、その為の衣装を製作してるんだとか。
……にしたって、この時期でまだこの進捗とか、ちょっと遅すぎないか……。
「つむぎって、何にしても、丁寧過ぎて時間が掛かるタイプよね……」
「あはは、お恥ずかしい話で」
「笑っている場合かね、俗物が」
へらへら笑うつむぎを、手を動かしつつ睨む斎宮くん。影片くんがそれを窘めつつ、つむぎを手伝ったり、お茶を入れたりと忙しく動いている。
影片くん、頑張るなぁ。昨日までの『フラワーフェス』のバイトの疲れだって取れてないだろうに。
よっしゃ、私も一肌脱いでやりますか。可愛い弟分と従弟と後輩の為だしね。
「私も手伝うよ、つむぎ。どうせ今ヒマだし、私一人暮らしだから、最悪泊まり込み出来るし」
「えっ、泊まり込み……！？ いや、助かりますけど、そこまでは流石に悪いですよ。ちゃんと帰って休んで下さい、徹夜作業は女の子の大敵ですしね？」
「いいよいいよ、慣れてるもん。普通科の時なんか、委員会室で書類と格闘して一夜を明かすなんてザラだったし」
「ああ、だから君、学院の門の鍵なんて持っているのかい……。いくら『会計委員会』と言えど、そんなもの何に使うのかと思ってたけど」
「警備はともかく、戸締まりは最後に出る人の責任だからって、先生が貸してくれてね〜」
複雑な表情を向けてきた幼馴染みを安心させようと、片手で横ピースしながらそう言うと、何故か蔑むような目つきで深々と溜め息を吐かれた。何その目。解せぬ。
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年8月28日 13時
