転入生とヒーロー勢力・2 ページ46
.
「事実でしょう？ 実際、今のこの馬鹿騒ぎは、紛れもなく君が――君たち『Trickstar』が中心点になっているんだから。
天祥院の差し金で『Trickstar』が分解状態になってる今、間違いなく『主人公』と言えるのは、残っている君と――あんずちゃんだけ」
「えっ？ わ、わたし……？」
よっぽど驚いたのか、ギョッとした顔で自分を指さすあんずちゃん。
「あらやだ、部外者のつもりだったの？ そんな気合い入った服まで着といて」
「えっ！？ いや、そうじゃないですけど、あの、ええっと……」
困り顔で、あわあわと身体の前で手を振るあんずちゃんが可愛らしくて、思わず笑みが漏れた。
あ〜、可愛い。私がやったらキモいだけだろうな、こんな仕草。あんずちゃんだから許されるヤツだ。
「心配しなくても、生徒会にチクったりなんてしないわよ。好きにやっちゃいなさい。
前に言ったでしょう？ 『革命』は、私の仕事じゃないの。老兵は死なず、ただ去って、新時代を眺めるのみ……。これからを作るのは、新しい君達であるべきだからね」
「先輩……」
心なしか目を輝かせるあんずちゃんの横、明星くんに視線を向ける。
「んじゃ、これから流星隊のプロデュース始めるけど……君も私のプロデュース受ける？ それともあんずちゃんの方が良かったかな、慣れてるだろうし」
「え？ ええっと……どうしよっか、あんず？」
「え、そう、だね……。不陶先輩が悪くないなら、お願いしたい、かな。わたしも、先輩のプロデュース見てみたいし……」
顔を見合わせ、こしょこしょと相談する2人。
あっ、可愛い……。なんか物凄く青春してる感ある……。
眩しい……光が溢れすぎてて息するの辛い……。ほら、私、自他共に認める闇属性の女だから……。浄化されそう……。
「じゃあパイセン、俺もプロデュースお願いしま〜す……ってどうしたのパイセン！？ 顔なんか覆って！ どっか痛むのっ！？」
「えっ？ あ、だ、大丈夫ですか不陶先輩……！？」
「いっそ殺せぇ……っ！！」
「先輩！！？」
くそっ、後輩のピュア100%な優しさが突き刺さる……！！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：姫結 | 作成日時：2018年8月28日 13時
