転入生のテスト・3 ページ31
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「まぁ、そういう事ならやりますけど……何かフリーの音源あるかな？ え〜と、仁兎くん」
「うぇっ……？ え、あ、おれっ！？ にゃんでっ！？」
「うん。君、放送委員長でしょ？ そういうの詳しいかなって」
私の名指しで一斉に視線が集まり、狼狽えていた仁兎くんだったが、理由を聞いて納得したのか、ああ、と頷いてすぐさま機材の方へ向かう。
機材に繋がれていたノートPCを開いて、
「それなら、これに幾つか入ってる筈だぞ〜。
このノートはここの備え付けだから、授業以外でも、練習とかでこの部屋を借りれば、誰でも使える事になってるんだ」
「ふむふむ、成程。本当にフリーなんだね」
「うん。あと、これは意外と皆知らないんだけどな……？」
と、仁兎くんは何故かそこで少し声を潜めて、フォルダメニューをクリック。
そこから『SMX-P』というフォルダを開くと、沢山のmp3データが現れた。
それらに付けられた珍妙な曲名の数々には、見覚えがある。
作曲してた時に考えてた事をそのまま曲名にしてみました〜☆ 的な、幼児並みのクッッッソダサいヤツばっか。
『学食のカツ定食大盛りが売り切れで悲しかったの歌』とか、『意地悪なセナの全身にカビが生えて悶え苦しんで死ねばいいなの歌』とか。
……前者はともかく後者は何があったの。まぁ、大体想像つくけど。
でも、間違いない。このクソなネーミングセンスは紛れも無く、
「……月永くん……？」
「そ。――このフォルダの曲、全部、レオちんの作品だ♪」
私の呟きに、仁兎くんが笑顔で頷いた。
……いや、ちょっと待って。
何で、月永くんの作った曲が、こんなノートに入ってんの？
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年8月28日 13時
