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「実は、これをお前に渡して欲しいと頼まれていてね」
「僕に？」
一体何だろう。入院して以降、生徒会業務については敬人に一任しているから、僕が立ち入れるような案件は無い筈なんだけど……。
父に一言断ってから、手渡された袋を開け、中身を確認する。
そこにあったのは、
「……『DDD』について……？」
フォーマットに則ってキッチリと隅まで入力された、僕には全く身に覚えの無い『企画書』。
だが、その『記入者』の欄には――�狹珪猶￣冀勠瓩量樵阿�、しっかりと入力されていた。
――何だ、これは。
『DDD』？
こんな
どれだけ頭を捻っても、心当たりすら見つからなかった。
だが、こうして、僕の名義で作られた『企画書』が此処にある。
『企画』の内容からして、全校を巻き込む大々的なイベントであり、しかも、開催日はかなり近くに設定されている。
これが僕の名義で作られているという事は、つまり――もう、
どういう事だ。
一体、何が起きている……？
「……ち……英智？ どうしたんだい、英智？」
「っ！」
我に返り、慌てて顔を上げると、心配そうな父の顔が目の前にあった。彼は僕の頬に手を当てて、
「顔が真っ青じゃないか……。まだ本調子じゃないんだね？ 無理せずに休みなさい。その案件は、また後日に回せばいい」
「あ……、いえ、父上、僕はまだ――」
そのまま手を肩に置かれ、ベッドに寝かされそうになったのを抑えて、僕は慌てて口を開く。
呑気に寝ている場合じゃない。
これは……この案件は、嫌な予感がする。
見逃しては、後手に回っては、全てが手遅れになってしまうかのような。
だから、だから今はまだ、休む訳には――。
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「――そう言い続けて、ステージの上で無様に倒れたのは、一体どこの誰だったかな？」
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その瞬間、いきなり喉元に鋭利な刃を突きつけられたかのような錯覚を覚えた。
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年8月28日 13時
